2024-02

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文学

化物園

昨夜は恒川光太郎の連作短編集「化物園」を読みました。 7つの短編が収められています。 一つ一つの作品は独立した物語ですが、同じ化物が登場することによって、連作と見做すことができます。 同じ化物とは言っても、猫だったり蛇だったり、果ては顔が無く、数センチ浮いているものだったり、見た目は様々ですが、それらは同じ物です。 この短編集の圧巻は、最後に掲載されている「音楽の子供たち」の迫力でしょうね。化物園恒川光太郎中央公論新社 「音楽の子供たち」によって、それまでは明かされなかった化物に関することが分かります。 化物は人間が誕生するはるか以前から存在する物であって、その姿は変幻自在であり、かつては人間を喰らうこともあったことが示唆されます。 その後異形の化物は人間世界の片隅で息をひそめ、長く、人間との関係を保ってきました。 人間によって化物はどう変わるのか、また、化物によって人間はどのような影響を受けるのか、それらがぼんやりと描かれます。 人間と化物との距離感が良い感じです。 この作者ならではの、どこか寂しさを感じさせる、メランコリーとでも言うべき雰囲気が漂っていて、良い連作短編集であったと思...
精神障害

怖れる

30年くらい前までは、天気予報はよく外れ、それを揶揄することが多かったように思います。 しかし最近の天気予報は外れるということはまずありません。 あたります。 今日も予報どおり冷たい雨が降り続きました。 なぜか分かりませんが、朝6時半に起きて朝食を摂り、週に一度の洗濯をして部屋干しを済ませたら眠くなり、ベッドに潜り込んだら深い眠りに落ち、14時まで眠り続けました。 こういうこと、時折私を襲います。 大抵、ひどい悪夢を見て寝汗をびっしょりかき、目を覚まします。 何を怖れているのかは分かりませんが、私はいつも何かを怖れ続けています。 それが私の本性であるかのように。
散歩・旅行

成田山公園梅まつり

3連休の真ん中。 昨日は雨で明日も雨の予報。 今日だけが晴れて気温が上がり、穏やかな一日になるとのことでしたので、梅を観ようと成田山公園梅まつりに出かけました。 思ったほど咲き乱れてはいませんでしたが、そこそこの開花です。  菜の花も咲いていました。 まずは満足です。 成田山公園に行くということは、成田山新勝寺にお参りすることと同義でなければなりません。 広く長く、古くからやっているであろう各種のお店が軒を並べる参道を通って新勝寺へ。  奈良の薬師寺や東大寺ほどではないにせよ、嫌になるほどの広さです。 成田山でお昼と言えば鰻に決まっています。 一番人気の川豊と言う店、4時間待ちの表示。 アホですか。 そんなに待ったら夕飯になってしまいます。 以前この店でうな重を食ったことがありますが、おそらく蒸さずにいきなり焼いているであろう、荒っぽい味わいでタレは濃い目。 川豊でしか味わえないと思いますが、私は30分待ちの上品な味わいの店で特上のうな重と肝吸いを頂きました。 3,900円。 財布には優しくないですが、鰻なんてそんな物です。 参道では成田名産、米屋の栗蒸羊羹を購入しました。 虎屋のよう...
文学

真夜中のたずねびと

昨夜は恒川光太郎の短編集「真夜中のたずねびと」を一気読みしました。 この作家の作品の多くが異界と現実を行き来するような幻想的なものですが、昨夜読んだ短編集は趣を異にしていました。 つまり、現実世界で起きるミステリーの要素が極めて強く、異界との繋がりはほんのわずかばかり示唆されるだけなのです。 また、一つ一つが独立した短編になってはいますが、ある作品の主人公が別の作品の端役で登場したりして、緩やかな連作と読むことが出来るようになっています。 幻想的な要素が満載の恒川作品を期待すると肩透かしをくらいます。 作家の作風は年とともに変わっていくものです。 この短編集を興味深く読みはしましたが、もしこの路線を突っ走るようなら、私はこの作者から離れていくような予感を覚えます。真夜中のたずねびと(新潮文庫)恒川光太郎新潮社
その他

またもや懐中時計

性懲りもなくまた懐中時計を買ってしまいました。 懐中時計では有名なアエロウォッチの手巻きで、デザインが現代的というか、スタイリッシュな黒で、暗い場所では文字と針が光るという、懐中時計にしては珍しい逸品です。 懐中時計は百年以上前に作られ、オーバーホールを繰り返したアンティークの美品は200万円くらいするそうですが、新品は高級腕時計のように何百万円もする物はありません。 しかしそれでも、ちょっとしたものなら何十万円とかかります。 安月給の木っ端役人には無理目なコレクションです。 今日購入した物も、私には分不相応な値段でした。 もともと私は物欲があまりなく、コレクションなんてしたことがありませんが、懐中時計にだけはハマってしまいました。 これで止めておかないと破産してしまいますね。
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