
イノセント・デイズ
昨日はどこに出かけるでもなく、読書をして過ごしました。 読んだのは「イノセント・デイズ」という小説です。イノセント・デイズ(新潮文庫)早見和真新潮社 早見和真という作家の本です。 この人の小説を読むのは初めてです。 書店で見て、興味を持ちました。 ミステリー、ということになるんでしょうか。 私には文芸作品のように感じられました。 30歳の確定死刑囚の女が処刑される日から物語は始まります。 その後に死刑囚の生い立ちや性格、生まれ育った環境等が友人や恋人らの視線から語られます。 とりわけ小学生時代の仲良しグループで、秘密基地で遊んだ男の子が長じて弁護士になっており、弁護士は女囚に再審請求を勧めますが、拒否されます。 女囚は死刑を怖れてはいません。 それどころか、早期の執行を望んでさえいます。 女囚は短い生涯のなかで、必要とされること、愛されることに飢えてきました。 そういうことがほとんど無かったのです。 太宰治の「人間失格」ではありませんが、生まれてきてごめんなさい、というセリフまで飛びだします。人間失格 (新潮文庫)人間失格【新潮文庫】 (新潮文庫 (た-2-5)) 治, 太宰治, 太...