2024-05

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思想・学問

思考の整理学

昨夜は「思考の整理学」と言う本を読みました。 なんでも東大、京大の学生に最も読まれた本だそうです。 だからといって小難しい書物ではありません。 むしろ軽い読み物と言った感じです。 著者曰く、朝飯前というのは簡単な仕事というわけではなく、朝飯前が最も頭が働く時間帯で、だからこそ朝飯の前は難しい問題でも解決が容易だと言います。 で、朝飯前の時間を長くするにはどうすれば良いかというと、早起きするのではなく、朝飯を抜いてしまえば良いのだとか。 そうすれば朝飯前の時間が長くなって仕事がはかどる、なんてヘソの曲がったことが書いたりしてあって飽きさせません。 しかし悲しいかな1983年に出版されたそうで、現代の整理とは異なっています。 すなわち、ノート、カード、スクラップブックなどでの整理法が紹介されているのです。 1983年と言えば、コンピューターは専門家の間で使われる物で、一般的に使用される物ではありませんでした。 現代で整理と言えば、エクセルやワード等に入力して保存するか、あるいは紙であってもPDF化してデータにするのが一般的です。 データにすれば検索もかけられるし、そもそも紛失するということ...
映画

猿の惑星/キングダム

今日は久しぶりに映画館に足を運びました。 観たのは「猿の惑星 キングダム」です。映画『猿の惑星/キングダム』予告(60秒)|300年後の猿が支配する世界|完全新作 5月10日(金)公開   「猿の惑星」の第一作が公開されたのは1968年だそうです。  私が生まれる1年前です。 ですがテレビでたびたび放映され、私は何度も観て感銘を受けました。 猿が人間を支配する世界を描いたもので、テンポよくスリリングな物語で、何度観ても名作だと感じました。猿の惑星 (字幕版)チャールトン・ヘストン その後続編や新シリーズが制作されていますが、第一作に勝るものは未だ公開されていません。 シリーズ物の宿命でしょうか。 今日観た作品はチンパンジーとゴリラの死闘を描きつつ、そこに最も狡猾で野蛮な、しかし知能が高い人間の女が絡んできます。 しかし、人間と猿とを正面から描いた旧シリーズの第一作と異なり、猿と人間の関係性が曖昧で、出来が良いとは言えない作品になっています。 尺も無駄に長く、正直退屈しました。 新シリーズも猿の覚醒を描いた第一作が一番良いようです。 シリーズ物というのは難しいですねぇ。
文学

消滅世界

昨日は村田沙耶香という作家の小説を読みました。 「消滅世界」です。消滅世界 (河出文庫)村田沙耶香河出書房新社 人類の生殖は人工授精で行うことが当然になり、性行為は不潔とされ、忌み嫌われるようになった世界。 さらに進んで、実験都市というのを作り、楽園(エデン)システムという気色の悪い方法で人間社会を変革させようと試みます。 すなわち、男は人口子宮というものを取りつけ、男でも女でも出産を可能にし、生まれた子供は父母ではなくエデンシステムが育てる。 子供は社会全体の物として、男も女も老いも若きも成人は全ての子供のおかあさんとなり、家族という概念は消滅してしまう。 一種のSFであり、ジェンダー・レス社会を描いた作品と言えます。 非常に興味深い内容で、感銘を受けました。 もう10年も前になるでしょうかか、この人の芥川賞受賞作「コンビニ人間」を読みましたが、あんまり面白くないという印象を受けました。コンビニ人間 (文春文庫)村田 沙耶香文藝春秋 それが「消滅世界」を突然読んでみる気になったのは、本屋で偶然手にとり、面白そうだと思ったからです。 思い返してみれば、コンビニでの仕事に耽溺する中性的と...
散歩・旅行

日本橋あたり

昨日は日本橋あたりを散歩しました。 東京駅で降りて八重洲口から高島屋へ。 徒歩10分もかかりません。 ここで同居人は小さな絵画と洒落た日傘を購入。 衝動買いでしょうかね。 私は何も買わずに冷やかしました。 その後日本橋を渡って三越へ。 百貨店のハシゴです。 お昼はスペイン料理のランチ・コースを頂きました。 ワインを少々頂いてしまいました。 禁断の昼酒です。 この背徳感がたまりません。 車を使わないとこういうことになってしまうこと必定です。 日本橋に少々飽きて、お祭りをやっているという新橋へ移動。 安い居酒屋で昼酒を楽しんでいる人が大勢いました。 約14,000歩。 気持ちよく歩けました。
文学

遠い山なみの光

今日は昨日とは打って変わって静かに過ごしています。 まずは朝一番で散髪。 夕方16時30分から精神科へ行く予定。 その間にカズオ・イシグロの処女長編「遠い山なみの光」を一気に読みました。遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫 イ 1-2)カズオ イシグロ早川書房 舞台は終戦後間もない長崎。 そこで若い妊婦と彼女を囲む人々との日常が淡々と綴られます。 その中に異色の人物が登場します。 米国人の愛人から一緒に米国に行こうと誘われ、それに夢を抱きながら、いつまでも渡米がかなわない女です。 主人公はそれを愚かな考えだとしています。 しかし、その主人公自身が、その経緯は語られませんが、家族を捨てて英国人の夫と子供を抱えて英国に移住しています。 主人公と他の登場人物たちとの間で交わされる会話が印象的です。 そこはかとなく漂う時代の変化に伴う諦念だったり哀愁みたいなものが物語に深みを与えています。 カズオ・イシグロは長崎で生まれ、5歳の時に親の仕事の関係で英国に移り住みます。 そのまま英国で過ごし、英国籍を取得。 日本語はほとんど出来ず、英語で小説を書き始めます。 その作品群は英文学として高く評価され...
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