2024-06-11

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文学

永遠と横道世之介

横道世之介3部作の最後、「永遠と横道世之介」を読み終わりました。 上下2巻。 合わせて700頁に及ぶ長編です。 第1作では大学1年生の一年間を、第2作では就職に失敗してバイトで過ごす24歳の1年間を、今作ではまがりなりにもプロのカメラマンとなった39歳の世之介が描かれています。 お調子者で誰からも好かれる世之介。 唯一、女性からはもてません。 今作では、30歳でお付き合いした薄幸の女性との思い出が頻繁に語られます。 世之介が彼女に出会った時、すでに彼女は余命2年の宣告を受けていました。 しかし世之介は、彼女に「早く出会えて良かった」と言います。 2年遅かったら彼女は亡くなっていたと思うと、2年といえど長い年月なのかもしれません。 短い夏の思い出も、クリスマスの思い出も、2回だけ。 それでも世之介にとっては最高の彼女なのです。 彼女と死に別れて後、新しい彼女と付き合うことになりますが、あろうことか最初の告白の時に、「2番目に好き」と言ってしまいます。 死に別れた彼女が永遠に一番ということでしょうか。 世之介にとって最高の人生はリラックスして生きること。 世之介は実際にそうやって生きていま...
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