
幻想列車 上野駅18番線
金曜の夜、小説を読んで過ごしました。 読んだのは桜井美奈の「幻想列車 上野駅18番線」です。 先般この作者の「私が先生を殺した」という上質なサスペンスを読んで気に入り、他の作品も読んでみようと手に取った1冊です。幻想列車 上野駅18番線 (講談社タイガ)桜井美奈講談社私が先生を殺した (小学館文庫)桜井美奈小学館 内容は「私が先生を殺した」はサスペンス、「幻想列車 上野駅18番線」はファンタジーというか寓話というか、とにかくこの世の存在では無い者が登場します。 心に傷を持った者が上野駅の隅、人けの無いベンチに座っていると、不思議なことが起こります。 テオと呼ばれるぬいぐるみのように可愛らしい架空の生き物が、その外観からは不釣り合いな乱暴な口調で鍵を渡し、秘密のドアを開けるよう誘います。 ドアを開けるとレトロな一両編成の列車(一両で列車というのは変ですが)が止っています。 上野駅には存在しないはずの18番線 テオに促されるまま列車に乗ると深く真っ黒な瞳の車掌がにこやかに待っています。 この車掌、とんでもないくらいの美青年です。 そこで、誘われた者は不思議なことを聞かされます。 一つだけ...