2024-09-16

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文学

夜のピクニック

昨日は一昨日と打って変わって静かに読書をして過ごしました。 恩田陸の「夜のピクニック」です。 この人はミステリーやホラーの作家というイメージを漠然と持っていましたが、「夜のピクニック」はいわゆる青春小説と呼ばれる分野かと思います。夜のピクニック(新潮文庫)恩田 陸新潮社 田舎町の進学校、北高。 ここでは1年生から3年生、全員が参加する奇祭、歩行祭が毎年行われています。 朝8時に学校を出発し、途中で休憩や2時間の仮眠を挟んで80キロの道のりを翌朝8時までに歩き通すという過酷なものです。 しかし、ヘトヘトになりながらも達成感があるらしく、多くの生徒は歩行祭の実施を支持しています。 ただ歩くだけで何の事件も起こらないのですが、歩行中に生徒達の間で交わされる会話が面白く、文庫本で447ぺージの作品を一気に読んでしまいました。 最後の学校行事である受験を控えた高校3年生の数人を主人公にした物語です。 私はもちろん夜通し歩くなんて体験はありませんが、この小説を読んで、何となく懐かしいような、ノスタルジックな気分に浸りました。 近くにいなければ忘れられる。忘れられればいないのと同じ。 こんなフレーズ...
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