2024-09

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文学

夜のピクニック

昨日は一昨日と打って変わって静かに読書をして過ごしました。 恩田陸の「夜のピクニック」です。 この人はミステリーやホラーの作家というイメージを漠然と持っていましたが、「夜のピクニック」はいわゆる青春小説と呼ばれる分野かと思います。夜のピクニック(新潮文庫)恩田 陸新潮社 田舎町の進学校、北高。 ここでは1年生から3年生、全員が参加する奇祭、歩行祭が毎年行われています。 朝8時に学校を出発し、途中で休憩や2時間の仮眠を挟んで80キロの道のりを翌朝8時までに歩き通すという過酷なものです。 しかし、ヘトヘトになりながらも達成感があるらしく、多くの生徒は歩行祭の実施を支持しています。 ただ歩くだけで何の事件も起こらないのですが、歩行中に生徒達の間で交わされる会話が面白く、文庫本で447ぺージの作品を一気に読んでしまいました。 最後の学校行事である受験を控えた高校3年生の数人を主人公にした物語です。 私はもちろん夜通し歩くなんて体験はありませんが、この小説を読んで、何となく懐かしいような、ノスタルジックな気分に浸りました。 近くにいなければ忘れられる。忘れられればいないのと同じ。 こんなフレーズ...
その他

異動

昨日、10月1日職場内の異動が示されました。 6月17日という中途半端な時期に私の部署の職員が定員削減になったばかりで青息吐息なのに、またもや1名削減となりました。 立ち直れないくらいショックです。 私を辞めさせたいとしか思えません。 しかしそうは言っても勤め人。 上層部が決めてしまった人事に何を言っても切ないばかりです。 もう少し頑張って、どうにもお手上げとなったら、15年ぶりの病気休職もやむ得ないかと思っています。 精神科医はいつでも診断書を書く、というか休めと言っていますし。 で、残暑厳しい今日という休日、少し歩き回って気分転換をしたいと、冷房の効いた巨大ショッピングモール、イオン幕張新都心店に出かけ、ペットショップで犬や猫を見たり、北欧家具の洒落れた店を冷やかしたり、喫茶店で紅茶を飲んだりして1日を過ごしました。 少しだけ、気分転換になったような気がします。 この三連休、憂色濃いものではありますが、楽しみたいと思っています。
その他

寂しい

今日は同居人が休日出勤を命じられたため、独りで過ごす日曜日となりました。 こんな日、普段私はどれほど同居人に依存しているかを思い知らされ、愕然とします。 奥様が留守だと嬉しいと言う中年男性のほうが多いというのに。 お昼は近所のあっさり系ラーメン屋で塩ラーメンを食したのですが、店に向かう一時間ほど前から、食前酒と称して禁断の昼酒を呑んでしまいました。 寂しさゆえだと思います。 食前酒を飲むと食事が美味しく感じられることは確かですが、昼酒は変に効きます。 実際、今日はラーメン屋から帰宅して2時間も昼寝してしまいました。 晩御飯には鰹のたたきと蛸ぶつ、それにフルーツトマトと枝豆を買ってあります。 呑みメニューです。 晩も吞んでしまうんでしょうね。 同居人と一緒に過ごす休日であれば、昼酒を呑むのは正月と花見の時だけです。  こんなことでは、同居人に先立たれたなら、私は生きていけない気がします。 江藤淳のようなことにならなければ良いのですが。
その他

幸せ

待ちに待った土曜日。 今日は読書などしてのんびり過ごそうと思っていたのですが、同居人がLOFTと無印良品に行きたいと言います。 これはすなわち、そごう千葉店に行きたいということ。 LOFTと無印良品の両方があるからです。 少々暑くはありましたが、車で行けばどうということも無いので、気分転換に出かけることにしました。 10時45分に出発して11時には着いてしまいます。 少々早かったですが、寝坊して私も同居人も朝食を摂っていなかったため、昼飯にしました。 いつもの椿屋茶房のビーフカレーのセットです。 食後も紅茶を飲みながらダラダラして、2時間もお店に居座ってしまいました。 店外で待っていた方々、ごめんなさい。 10階にある飲食店街からエスカレーターで1階降りては店を冷やかしを繰り返し、2階に辿り着くまで2時間かかってしまいました。 2階の喫茶店で一休み。 珈琲好きだったのが、なんだか珈琲を飲むとドキドキするようになり、最近はもっぱら紅茶です。 で、恒例のデパ地下のお弁当を購入して帰りました。 こういう何ということもない土曜日を、何ということもなく過ごせるのが幸せというものなのかなと思いまし...
文学

地球星人

かねて読み進めていた村田沙耶香の「地球星人」を読み終わりました。 この人の小説を読むのは「コンビニ人間」、「消滅世界」に続いて3冊目です。 「コンビニ人間」や「消滅世界」はジェンダーレスの世界を描いていて、それだけでも世の中の常識から反する、いわば反社会的な作品でした。 しかるに「地球星人」はそんな生半可な小説ではありません。 人間社会の全てを否定しているかのごとくなのです。地球星人(新潮文庫)村田沙耶香新潮社コンビニ人間 (文春文庫)村田 沙耶香文藝春秋消滅世界 (河出文庫)村田沙耶香河出書房新社 最初は世の中というものに違和感を持つ少年少女の淡い恋物語の様相で始まります。 その違和感はますます大きくなり、長じて、人間社会を工場と呼ぶにいたります。 勉強を頑張り労働する、女の子を頑張り生殖する、この二つが地球星の成り立ちであり、それは社会というより工場だというわけです。 それに順応して何の違和感もなく生きるのが地球星人であり、違和感を持つ者は異星人ととらえます。 そこでは価値観が錯綜し、逆転し、また反転します。  さらには殺人、人肉食までもが正当化されます。 それは彼らの合言葉、異星...
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