2024-11

文学

眠る

昨日はブラック・フライデーのセールを行っているということで、そごう千葉店に出かけました。 以前、千葉駅近くにはそごうの他に三越が在って、三越にばかり行っていたのですが、閉店して跡地はタワーマンションになってしまいました。 以来、不本意ながらそごうに通う羽目になりました。 ブラック・フライデーのお目当てはダウンのコートを買うこと。 昨年、カシミアのコートを大枚17万円をつぎ込んで購入し、これを愛用していたのですが、本当に寒くなる真冬はダウンのほうが良かろうと思い、買いに出かけた次第です。 愛用のスコッチハウス、ブルックスブラザーズ、ニューヨーカーなどいくつかの店舗を見て回り、結局最初に見たスコッチハウスで濃紺のダウンコートを購入しました。 15%OFFで8万円ほど。 カシミアに比べると安いです。 その後本屋に立ち寄り、最近お気に入りの桜木紫乃の小説を2冊と、珍しく城山三郎の晩年の手記を購入しました。 早速、今日の午後「そうか、もう君はいないのか」という城山三郎の手記を読みました。 学生時代に出会った当時女子高生の奥様との初恋が語られ、結婚生活、そして奥様が癌に倒れて亡くなるまでを描いたも...
精神障害

世界一

今日の千葉市はひどく寒く、冷たい雨が降っています。 真冬です。 うつ病や適応障害の患者は天候に依って体調が左右されやすく、雨で寒いとなるとてき面です。 双極性障害でこのところ落ち気味の私も例外ではなく、今日は仕事を休んでしまいました。 突然の体調不良で休むといつもそうですが、ひどい自己嫌悪に陥ります。 で、禁断の昼酒を呑んでしまいました。 少々呑んでも落ちた心は却って眠気を吹き飛ばし、寝逃げしようとしても無駄です。 ひたすらに緊張し、不安になり、悲哀甚だしく、世界一不幸だと思ってしまうのは病ゆえでしょう。 ただ己の愚かな精神を嗤うばかりです。
文学

僕の神さま

昨日は午前中、一週間分の食料の買い出しに行った他は静かに読書をして過ごしました。 芹沢央という作家の「僕の神さま」という小説です。僕の神さま (角川文庫)芦沢 央KADOKAWA 小学校5年生の僕が主人公で、冷静沈着、何事もすらりと解決してしまう神さまとあだ名される少年との交流を描いています。 春・夏・秋・冬・エピローグという構成の連作短編集の形式を取っています。 春の章は少年らしい心の揺らぎを描いたほのぼのしたもの。 しかし夏・秋・冬と、異常に絵がうまい転入生の少女が、大酒飲みでパチンコ中毒の父親に苦しめられていることが語られ、ついには父親を事故に見せかけて殺害することを夢想していることが判明します。 これに対し、神さまとあだ名される少年はそれを肯定し、僕を愕然とさせます。 少女は児童保護施設への保護を希望しますが、施設から出ると父親は施設の管轄外の地域に引っ越してしまいます。 こんなことを繰り返しているのです。 少女は転校していきますが、その後父親に殺されたという噂が広がり、さらには少女の怨霊が学校に存在するとまで拡大し、少年少女たちを恐怖に陥れます。 総じて少年少女たちの瑞々しい...
その他

反撃

昨日は4週間に一度の精神科の通院日でした。 前回初めて処方されたトリンテリックスという抗うつ薬が体に合っていたようで、6月から二つの役職を兼務するようになってからずっと続いていた激しい憂鬱感や落ち込むが少し緩和されたという話をしたら、主治医はとても喜んでくれました。 これまで自分は壊れていくだけだと思っていいたところ、反撃が始まったような気がします。 まだまだ落ち込みは続いていますが。
文学

ラブレス

昨日はコレステロールの薬をもらいに内科に、今日は散髪に行った以外、静かに読書をして過ごしました。 桜木紫乃の「ラブレス」を読みました。 この作者の小説を三冊続けて読んでいます。 北海道を舞台に、二人の女性の一生が大河ドラマのような壮大さで描かれます。 奔放に生きた姉と堅実に生きようとした妹の物語に様々な登場人物が絡んで、人生というものを考えさせられます。 みな同じように脱皮を繰り返し、螺旋階段を上るように生きてゆく。 人はみな手前勝手なもんだから、自分の幸せのためなら手前勝手に生きていい。 どこへ向かうも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を悔んだりしない。 奔放に生きた姉の言葉でありながら、堅実に生きようとして奔放に憧れた妹の悔いのようにも読み取れます。 親子孫、三代に渡る物語に魅了されました。ラブレス(新潮文庫)桜木紫乃新潮社