2024-12

文学

ワン・モア

昨日の日曜日は入院している親族の見舞に行きました。 痩せて元気がなくなってはいましたが、生きるの死ぬのというほどのことではなく、良かったと思います。 50代半ばですので、闘病の体力もあるものと思います。 少々遠い所だったので、行きかえり、小説を読みました。 近頃お気に入りの桜木紫乃の「ワン・モア」という作品です。ワン・モア (角川文庫)桜木 紫乃KADOKAWA 安楽死の罪を犯し、大病院から離島の診療所へと左遷された女医と、元同僚でがんの告知を受けた女医の二人を中心に、関連する人物が次々に主人公として小さな物語が紡がれる連作短編集の体裁を取っています。 二人の女医、死に行く側とそれを現代医学の力で遠ざけようとする側、それぞれの葛藤が描かれて迫力があります。 それ以上に、医師を目指しながらそれが叶わず、放射線技師となって複雑な思いを抱える男の葛藤や恋、女医の元でDV被害による傷の治療を受ける若い女性、女医の元で働く中年看護師の恋など、生きること、死ぬことへの恐怖や諦め、生その物の発露ともいえる恋愛などが螺旋階段のように絡まりあって描かれ、とても魅力的な物語になっています。 さらにその底に...
散歩・旅行

紅葉

いよいよ師走。 昨日今日とひどく冷えます。 昨日は久しぶりに東京散歩を楽しみました。 週末お上りさん復活です。 コロナ前と違うのは、車ではなく電車で移動したこと。 コロナで長いこと高速道路を使わずにいたら、なんだか運転が怖くなってしまいました。 かつては運転が好きだったのですが、今は恐怖でしかありません。 で、紅葉を見ようと思い立ちました。 できれば六義園か皇居東御苑が良いと思ったのですが、webサイトを見るとどちらもひどく混雑するらしいことが分かりました。 そこで紅葉はわずかながらゆったりと楽しめる日比谷公園を目指すことにしました。 東京駅丸の内口に降り立ち、有楽町方面へ。 有楽町、日比谷、銀座と言ったあたりは子供の頃親に連れられて芝居や映画を観に行った思い出の地です。 中学生の頃通っていた塾もこの辺りにありました。 変わらない面もあり、大きく変わった面もあり。 時の流れを感じずにはいられません。 日比谷公園では所々紅葉が楽しめました。  こんな感じです。 都会の中のオアシスと言った風情です。 日比谷公園の中にあるタリーズでパスタと紅茶の昼食。 だらだらと一時間半もおしゃべりに興じて...