2025-03-09

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文学

ホテルローヤル

春の瘴気濃い年度末の日曜日。 この時季はいつもそうですが、狂おしいまでの焦燥感と不安感に駆られます。 わが国の学年暦は4月を初月とします。 そのため多くの新入社員は4月入社。 国の会計年度も3月まで。 私の職場も当然3月で年度末ということになります。 このブログで何度も報告したとおり、6月以来私は2つの部署を一人でみる羽目になり、それがゆえ精神の落ち込み激しく、ついには上司に人を付けるか私を異動させるかどちらかにしてくれと訴え出ました。 とにかく4月の年度替わりまでは待ってくれという返事だったので、今は内示が楽しみなような怖ろしいような、複雑な心境です。 来年度もこの体制だったなら、長期の病気休暇に突入してしまうでしょう。 鬱々とした気持ちながら、じつに久しぶりに小説を読みました。 小さな現実逃避でしょうか。 読んだのは桜木紫乃の直木賞受賞作「ホテルローヤル」です。 北海道の湿原を背に建つ小さなラブホテル、ローヤルでの人間模様を7編の短編小説で紡いだ作品です。 面白いのは、すでに廃業して廃墟となったホテルを舞台にした作品から始まり、現在から過去へと現実とは逆の時系列で物語が語られること...
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