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文学

雨水

昨日は二十四節気の一つ、雨水(うすい)だったのですね。 「暦便覧」には、陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり、と記されています。 確実に春が近付いているのですねぇ。 野も山も 冬のままじゃに 春の水   与謝蕪村の高弟、高井几董の句です。 今では忘れ去られた感のある俳人ですが、ほのぼのとした秀句を残していますねぇ。 この時季にふさわしい句です。 この人の春の句というと、 水に落ちし 椿の氷る 余寒かな を思い出します。 余寒というのが寒さのなかに春を感じさせます。  さらに、 むらさきに 夜は明けかかる 春の海 というのがあります。 こちらは壮大で美しい、一幅の絵のような感じが浮かびますねぇ。 どちらも味わい深い句だと思います。 もういい加減寒いのは勘弁してほしいですねぇ。 花咲く春の暖かさが待たれます。にほんブログ村 人文 ブログランキングへ
社会・政治

伊能図の威力

恥ずかしながら今日まで知りませんでした。 黒船来航の11年も前に、幕府はこのことあるを予想して館山などの東京湾への入り口に砲台を設置していたのだそうです。 黒船来航というと、唐突にやってきて、幕府も朝廷もびっくり仰天して上を下への大騒ぎをしたような印象をもっていましたが、鎖国中とは言いながら、幕府は海外の状況を知っていたのですねぇ。 そしてペリーが一年後にまた来る、と言ってとっとと帰ってしまった最大の理由は、伊能忠敬が作成した日本全図を見たからだとか。 当時アジアの国々が作る地図というのは、なんだかぼんやりしたもので、精確ではなかったのに、伊能忠敬の作った日本地図は極めて精巧にできており、戦争になれば精確な地図を持っていることは絶大な威力を発揮することを知っていた軍人であるペリーは、このような技術を持った国がアジアに存在していたことに驚くとともに、軍事力も強いのではないかと勘繰り、ひとまず引き上げたそうです。 伊能忠敬、Good Job! しかし幕府は幕府で、現れた黒船を見て、想像を絶する巨砲を備えていることに驚き、館山などの砲台ではとても太刀打ちできないことを悟り、当面の危機を回避す...
文学

新八犬伝

さきほどNHKアーカイブスという番組で、1973年ごろ放送された人形劇「新八犬伝」の総集編を放送していました。 江戸の戯作者、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」を下敷きにしたものです。  坂本九の語りがべらぼうにうまかったですねぇ。 講談のようでもあり、浪花節のようでもあり、歌舞伎のセリフのようでもある、七五調の名調子です。 坂本九というとポップスの大御所というイメージが強いですが、実際は三味線や長唄、民謡などで音楽を学んだとかで、本来は邦楽の人なんだそうです。 だから講釈師も真っ青の語りができるんですねぇ。 私は小学生の頃、子ども向けに現代語訳された「八犬伝」を読みました。 江戸時代、大ベストセラーとなった伝奇エンターテイメントの大作ということで、非常に面白く感じました。 山田風太郎みたいな感じですかねぇ。 中学生になって、滝沢馬琴の創作の秘密に迫る「戯作三昧」という芥川龍之介の小説を読みました。 こちらは文学作品ですが、芥川龍之介が滝沢馬琴の胸中を推し量り、それに共感している様子がよく出ていました。 私は6歳の頃初めて「ドラキュラの歯はない」というお話を広告の裏に書いて以来、たびたびお話...
社会・政治

天が落ちてくる

杞憂という言葉がありますね。 中国の故事で、空から天が落ちてくるんじゃないかと心配して夜も眠れない男がいたことから、無駄な心配をすることとされています。 「列子」にみられます。 しかしこのたびロシアに落ちた隕石の被害を見ると、あながち無駄な心配とも言えません。 もちろん天が落ちてきたわけではありませんが、地上に縛り付けられて生きている私たちからすれば、隕石が落ちてくれば天が落ちたように感じるでしょう。 幸い死者は出なかったようですが、負傷者は3,000人とも伝えられます。 怖ろしや。 一説には、恐竜が滅んだのは巨大隕石が地球に衝突したため、と言われているとか。 その時人間が今のような文明を築いていても、逃れる術は持たなかったでしょうね。 この世はリスクにあふれていますね。 平和で安全な社会をいくら望んでも、今のところそんな世の中が生まれたことはないし、これからもないでしょう。 せめては守れる範囲での防災を心がけるほかありません。列子 上 (岩波文庫 青 209-1)小林 勝人岩波書店列子 (下) (岩波文庫)小林 勝人岩波書店にほんブログ村 人気ブログランキングへ
美術

会田誠展 天才でごめんなさい

今日は冷たくて強い北風が首都圏を吹き荒れていましたね。 外を歩くのは困難なこの日こそ、かねて行きたいと思っていた展覧会に出かけました。 六本木ヒルズの53階にある森美術館に会田誠展・天才でごめんなさいを観に行きました。 会田誠といえば、村上隆と並ぶ現代アートの先端を行く美術家ですね。 絵画、彫刻、映像、様ざまなジャンルを超えて活躍するスーパースターです。 極めて写実的な作品もあれば、悪ふざけのような作品もあります。 唯一写真撮影が許されていた作品、考えない人を撮ってきました。 美術館に入ると、代表作、あぜ道が迎えてくれました。 写実的でありながら、あぜ道と少女の髪の分け目が繋がっているという不思議な構図で、私はこの作品を好んでいます。 というのも、あまりに過激な作品や政治的メッセージ性を持った作品が多いなか、この作品には不思議な郷愁みたいなものを感じるからです。 過激と言えば下の作品。 犬というタイトルの連作の一部です。 幻想的とも残酷とも言える独特の美学に貫かれているとは思いますが、人を不快にさせる要素も併せ持っています。 ただこの構図、会田誠のオリジナルではありませんね。 30年以...
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