大道芸人とホーム・レス

散歩・旅行

 あいにくの曇り空でしたが、散歩に出かけました。
 今日は東千葉の千葉公園を散策し、千葉駅から千葉銀座へと、千葉市中心部を歩きました。

 千葉公園は、同居人が高校時代、毎朝遅刻せぬよう東千葉駅で降りて駆け抜けていた場所だそうで、感慨深げにしていました。

 そういえば私も高校時代、信濃町駅から神宮外苑の学校まで、走っていましたねぇ。
 いつもぎりぎりでしたから。
 都内で最も小奇麗な神宮外苑、わけても学徒出陣式が行われたという絵画館前広場など、私は目もくれませんでした。
 学生服やセーラー服の一群が、鬼の形相で駆け抜けるのですよ。
 なにしろ一分でも遅刻すると、校門前で仁王立ちした柔道部の顧問に学生証を分捕られ、翌日から30分早く、10日連続で通わなければならないからです。
 もし途中で遅れれば、また振り出しに戻って10日間です。
 それは必死になるわけです。
 
 昔話はともかく。

 千葉銀座ではフリーマーケットが催され、和太鼓やジャグリングなどの大道芸が行われていました。
 ジャグリングをやっていたのは、20歳そこそこの青年。
 ジャグリングの腕を、巧みな話術でカバーする根性をみせていました。
 しばし、その輝く若さをまぶしく見つめました。
 趣味なのか、それで食っていきたいのかは知る由もありませんが、まるで永遠に、輝くチャレンジが続くとでも信じているようなその態度、見事でした。
 これから苦労の連続だとは思いますが、初志貫徹してほしいものです。

 千葉銀座からほんの数分歩いた栄町では、垢で真っ黒の、煮しめたようなニット帽をかぶった初老の男が、ゴミ箱をあさり、食えそうな物を片端から口に運んでいました。
 どんな人生を歩んできたのかはわかりませんが、今日は栄町でホーム・レスをやっているようです。

 ジャグリングの青年とホーム・レスの男。
 2人はほんの数分の距離で、それぞれに生きるために必死になっていました。
 一人は未来を信じ、一人は今の飢えだけをしのごうと。

 その2人の精神の運動は、おそらく見た目ほどに違いはないでしょう。
 2人ともが、内奥の欲望を満たさんがため、今できる精一杯を行っているのです。
 そして時と場合が許せば、あらゆる智謀の限りを尽くして欲望に従うでしょう。

 それは私も同じこと。
 現在置かれた制約の中で、善悪を超越してあらゆる謀をめぐらすのです。
 今日も、明日も。

 遅刻を怖れて必死で走っていた私と、給料欲しさに大嫌いな仕事に向かう今の自分も、同じこと。

 そうであるならば死力を尽くして謀を完遂する他ありますまい。
 

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