五月晴れに誘われて、幕張をふらふら散歩しました。
幕張というと、幕張ベイタウンや幕張メッセなど、超近代的な町並みを思い浮かべる方が多いと思います。
しかしそれは京葉線の海浜幕張駅周辺のこと。
総武線幕張駅周辺の一角は、昭和を感じさせるレトロな町なのです。
もう十年ちかく前、幕張に在る機関に勤務していたことがあります。
仕事量は多いは、クレームは多いは、スケジュールは過密だはで、殺人的な忙しさでした。
当時は精神をやられることはなかったですが、何となくいつも腹立たしげでしたね。
そんなことを懐かしく思い出しつつ、レトロな町を歩いてみると、変わっていませんでしたねぇ。
今だに便所が汲み取り式の飲み屋があって、そこは床がコンクリートうちっぱなしで、タバコはその床にポイ捨てするのです。
店の主人がタバコを四六時中吸っていて、それを床に放るので、客も自然とそうなりました。
その店の主人に聞けば、私の職場の幹部人事はすべて分かると評判でした。
私の職場どころか、管轄する文部科学省の幹部人事も分かるとか。
三畳ほどの小さなペットショップには、生気の失せたインコやら金魚やらが今にも死にそうにしていました。
ついでに言うと、店の主も十年前から死にそうでしたが、今も死にそうな顔のまま、店番をしていました。
換気という言葉を無視した焼肉屋も健在でしたねぇ。
夜行くと猛烈な煙で前に座ったやつの顔もおぼろげになってしまうのです。
安くて旨いということで、職場の野郎どもに人気でしたが、私はあまりの煙ったさに、一度しか入れませんでした。
日々進化を続ける海浜幕張駅周辺とは違って、幕張駅周辺は十年一日のごとき感があります。
でも、十年、しっかり過ぎているんですよねぇ。