明日で8月も終わり。
夏休みの宿題に追われる子どもたちの断末魔の悲鳴が聞こえるようです。
私は子どもの頃、夏休みの宿題はほとんど7月中に終わらせていましたね。
今考えても驚くべきは、絵日記まで終わらせていたことです。
未来を予測していたんでしょうか。
ただし、日々の天気の欄は空欄にしていました。
工作だけがいつもぎりぎりでした。
手先が不器用でしたから。
ある時、親戚のおじさんが手製の湯かき棒を夏休み中にもってきてくれて、これ幸いと、夏休みの工作として学校に持っていって、出来が良いと褒められたことがあります。
それはそうでしょうねぇ。
そういうのが得意な大人が作ったものなのですから。
でも今は湯かき棒なんて見かけなくなりました。
今の風呂は温度設定まで出来ますから、そんな物必要ないのでしょう。
子どもの頃は水を張って、それからガスでわかしましたから、下のほうと上のほうで湯温が違っており、入る前に風呂の湯をかき回すのは必至だったのですよねぇ。
私には経験がありませんが、子どもの頃、親の田舎に帰ると薪で湯を沸かす、と言っていた同級生がいました。
未経験者には薪に火をつけるのがなかなか難しいようです。
東京育ちの母親が夫の田舎に帰省して、姑から風呂を沸かしてくれと頼まれて、どうしても薪に火をつけることができず、夫の田舎で育った小学校低学年の姪につけてもらった、なんて話を聞きましたっけ。
小学校の頃は夏休みというと前半に母の実家である長崎に遊びに行き、後半に三泊四日程度で箱根や軽井沢などへ家族旅行に出かけていましたねぇ。
プールや巨大ゲームセンターなどが併設された家族向けの大規模旅館やリゾート・ホテルに行って、昼間はサイクリングやボート遊び、プールで水泳など、夜はゲームセンターで遊んだものです。
当時はインベーダー・ゲームが大流行りでした。
冬休みは雪が積もっている地方に行って雪合戦やそり遊び、アイススケートなどに興じました。
スキーもやりましたが、おっかなくて一度でやらなくなったのですが、大学生になってスキー・ブームが巻き起こって、スキーをやらない者は大学生ではない、みたいな風潮になりましたが、私は頑としてやりませんでした。
大体滑るためだけに登るとは、馬鹿げています。
今は昼は観光、夜は飲酒ですかねぇ。
子どもの頃とやっていることは大して変っていないような気がします。
でも多分そうなのでしょうね。
子どもも青年も中年も老人も、人間なんて基本的に楽しいと思うのは本質的に同じようなことなのだろうと思います。
毎年夏と冬に家族旅行に行って幸いだったのは、子どもの頃にたっぷりと遊びに連れて行ってもらったおかげで、思い残しが無いことでしょうか。
かつてNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」で、徳川吉宗の長男、家重が、弟は父親によくおんぶされていたのに、自分はおんぶされたことがない、と家督を継ごうかという大人になった頃になって文句を言い出し、西田敏行演じる吉宗が、中村梅雀演じる家重をおんぶしたりして、誠に気色の悪い光景でしたねぇ。
あれこそまさしく思い残しのせいでしょう。
あのドラマ、中村梅雀演じる家重がびいびい泣いたりよだれを垂らしたりする熱演が人気を支えていたように思います。
人間年相応の経験を積まないと、後になって思い残しが残り、中年になって女遊びに狂ったり、つまらぬ博打に手を出したり、碌な事がありませんからねぇ。
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