暗闘

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 安倍元総理を殺害した犯人、旧統一教会に恨みがあったと述べているそうです。
 旧統一教会と言えば、高額で壺を売りつけたり、信者に全財産を寄進するように求めたり、悪名高い霊感商法で多額の金を集めることで有名でした。
 思えば私も、学生の頃、名乗りはしませんでしたが、明らかに旧統一教会を連想させる勧誘を受けて、不快な思いをしたことがあります。
 驚くべきことに、日蓮宗の寺院であった実家にまで、図々しくも霊感商法を仕掛けてきたことがあって、父の、鬼の形相の一喝で、早々に逃げていったことを思い出します。

 どんな宗教であれ、信仰を持つのは個人の自由ですが、なぜ金儲けに走るカルト集団に入信するのか、不思議でした。
 その宗教が本物かまがい物かを測る指標に、金儲けを旨としているかどうかが、重要な要素と言えるでしょう。

 犯人は旧統一教会に母親が入信し、破産にいたるまで献金を続け、家庭が滅茶苦茶になって、教会に深い恨みをいだき、安倍元総理が教会と深い関わりを持つと妄信し、元総理を殺害したと動機を述べているそうですね。

 解せません。

 教会の幹部を狙うテロなら分かりますが、どうして安倍元総理を殺害しなければならなかったのでしょうね。
 どうしても、裏があるのではと邪推したくもなります。
 どういう裏なのかは分かりませんが、もしかしたら政界の大物は、それを知っていたのかもしれません。
 何か強い影響力を持つ組織が、犯人を騙して凶行にいたらしめたと考えるほうが、むしろ自然なような気がします。

 それがどんな組織なのか、何を目的にしているのか、それは今のところ分かりません。
 いずれにしろ、私は犯人が述べている単純な動機であることが信じられません。

 世の中には様々な秘密結社が存在しているものと思います。
 それはヤクザなんかよりもはるかに怖ろしい、力と意志を持っているものと思います。
 古くは薔薇十字会、今でも暗躍していると言われるフリーメーソン。
 そして圧倒的多数の人が知らないであろう組織。

 安倍元総理は8年8か月に及ぶ長期政権で、卓越した能力を示し、外交や安保政策で、多くの国々から賞賛を浴びました。
 賞賛を受けるということは、裏を返せば多くの敵がいたということでもあります。
 その敵が何者であったのか。

 犯人の阿呆な動機を信じることは出来ません。
 しかしことの真相は、おそらく葬られることでしょう。
 そして邪悪な組織の幹部だけが、祝杯を挙げているに違いありません。

 暗闘ということ、どこの世界にも存在します。
 安倍元総理は、その邪悪な組織によって凶弾に倒れたものと、私は推測しています。
 誠人の世は怖ろしいものです。

 安倍元総理の魂が安らかであらんことを。