今朝は良く晴れて、天気予報では夕方までもつとのことでした。
コロナ禍も少し落ち着ついてきて、私の職場ではマスクの着用が自己判断となりました。
そろそろ好きな都内散歩に出かけようと、京葉道を車で西に向かいました。
聖地巡礼というんでしょうか、私が好きな「きのう何食べた?」で良く登場する新小岩のアーケードにある中村屋というスーパーを目指しました。
作品の中で登場する中村屋、実際の店名も中村屋です。
しかし、アーケードを歩き回っても中村屋はありません。
不審に思ってスマホで調べると、すでに閉店し、跡地には別のスーパーが建っていました。
それでも、狭いスーパーの雰囲気は味わうことが出来ました。
「きのう何食べた?」は料理好きの弁護士と、彼が作る料理を食べるのが大好きな美容師のゲイカップルの日常を淡々と描いて、じんわりと心に響く名作です。
中村屋を見られなかったのは残念ですが、昼にパスタとサラダ、珈琲を食し、散歩に出ました。
私は20代後半の頃、不本意ながら都内の機関への出向を命じられ、実家に戻っても良かったのですが、千葉での一人暮らしの快適さを知ってしまったため、高い家賃を払って新小岩に住みました。
6畳と4畳半の部屋と風呂、トイレ、キッチンが付いた間取りで、一人暮らしにはやや広かったのですが、千葉では6畳二間に6畳のダイニングキッチン、風呂が付いてわずか5万円でした。
新小岩はそれよりだいぶ狭いですが、家賃は9万円。
痛い出費ですが、どうしても寝る部屋と食事を摂ったりテレビを観たりする部屋を分けたかったので、身分不相応な物件に入居しました。
千葉の職場に復帰するまでの3年間、新小岩での生活を満喫しました。
駅まで徒歩10分ほどで、近所を親水公園が張り巡らされ、そこには桜もたくさんあって、住みよい場所でした。
それでも、人込みと、何でも並ばなければならない不自由さに閉口した覚えがあります。
かつて住んでいたアパートを見に行きました。
天気予報は外れて早くも13時半頃から小雨がぱらつきましたが、よく使った蕎麦屋や中華屋、大衆割烹など、多くの店がまだ頑張っていて、嬉しくなりました。
それらの街並みを歩いていると、タイムスリップしたかの如く、私の精神は20代後半の頃に飛んだのでした。
歩いたり泳いだりして体を動かした記憶。
若い同僚としこたま飲んでカラオケに繰り出した記憶。
職場での評価が上がっていった記憶。
欲望のままに悪行を繰り広げた記憶。
どれもが、精神障害発症前の、健全で、愛おしい記憶です。
今、私はどうしてこんなに疲れやすくて勤労意欲の無いおじさんになってしまったんだろうと思いながら、雨中の散歩でメランコリーに浸りました。
都内散歩を楽しんだり、少しづつ日常を取り戻しつつあります。
そんな中に感じるメランコリーは、どこか心地よくさえありました。
前回都内散歩を楽しんだのは、2020年の10月14日。
随分時間が経ってしまいました。
これからコロナが収まって、元気に散歩を楽しめるようになると嬉しいのですが。