鬱屈

散歩・旅行

 昨日は強風が吹く中、晴れたので神宮外苑から青山あたりを散歩しようと、車を絵画館駐車場へと走らせました。

 しかし、着いてびっくり。

 国立競技場工事の関係で、神宮外苑一帯が通行止めになっているではありませんか。
 仕方なく、外苑西通り沿いにある立体の時間貸し駐車場に車をとめて、裏道を表参道方面へと歩き出しました。

 思えば30年前、私は神宮球場の向かいに建つ高校に通っていたのでした。
 当時は少年ゆえの鬱屈を抱え、なんとなく不安で不満な日々をおくっていましたっけ。
 30年後、中年になって嬉々として散歩に来るとは思いもよりませんでした。

 時の流れは残酷であると同時に、あらゆる鬱屈を癒してくれるもののようです。
 今も私は中年なりの鬱屈を抱えてはいますが、少年の日の、生物の本質のようなそれとは自ずと違う、垢にまみれたものなっています。

 そんなことを考えながら表参道に到着。

 まい泉で豚しょうが焼き定食をいただき、また別の道で神宮外苑へと戻りました。

 絵画館前では多くの子供たちが自転車に乗る練習をしていました。

 遅刻を怖れて毎朝駆け抜けた絵画館前広場。

 今の私は走ることなんてありはしません。

 あの頃は23区でもっとも環境の良い神宮外苑の景色を眺める余裕すらなく、ひたすらおのれの心に向かい合っていました。

 景色を眺め、散策するためだけに千葉くんだりから出かけている今こそ、私は根源的な鬱屈から解放されたのかもしれません。