文学 まぼろし
幻想文学というくくりがあって、これはずいぶん大雑把な分類で、SFやミステリーから、ホラーやらファンタジーやら、様々な分野の作品を包含しています。そのものズバリのタイトルを冠した雑誌もあって、幻想文学はわが世の春を謳歌しているかの如くです。 その起源は神話に求めるのが一般的ですが、今ではサド侯爵もマゾっホもその仲間に入れられて、「指輪物語」などと一緒くたにされて、惨状目をおおうばかりでもあります。 あまたある幻想文学の中でも、「家畜人ヤプー」は最高峰に位置するものでしょう。沼正三という作者は決して表に出ることはなく、この天下の奇書をものしたのはどういう人物なのか、今だに謎です。一説には渋澤龍彦ではないか、という噂も流れましたが、不明です。 その渋澤龍彦や三島由紀夫が絶賛し、ベストセラーにもなったこの小説は、じつに奇怪でグロテスクな内容です。 遠い未来、日本人は白人の家畜となっていて、高度なバイオテクノロジーにより、用途別に改造されているのです。 たとえば便器。便座型に改良された哀れなヤプー(日本人の未来)は、「セッチン」と白人に命じられると、口をあけて大小便を飲み込むのです。 その他掃除...