映画 美と恐怖
今日は14時で早退し、フレンチ・ホラーを鑑賞しました。 「リヴィッド」です。 これはじつに残酷で、しかも美的な映画で、私はその青みがかった映像を、ひたすらうっとりと見つめました。 久しぶりの大当たりです。 かつて怪物や幽霊が活躍する怪奇文学は、耽美主義の系統に分類されていました。 それはホフマンなどのドイツ・ロマン派でも、「雨月物語」などの江戸文学でも。 それらのDNAを引き継ぐホラー映画も、もともとは美的であることが求められ、美と恐怖は本来的に相性が良いものです。 近年、ホラー映画は残酷描写が追求され、悪趣味なまでに醜悪な作品が受けるようになってしまいましたが、「リヴィッド」は原点に立ち返った、ゴシック・ロマンの王道を行く見事な作品に仕上がっています。 これほど美的なホラー映画は、老いた吸血鬼の悲しみを描いた「ノスフェラトゥ」以来ですねぇ。 物語は、森の中の豪邸で植物状態のまま眠り続ける老婆の家に、泥棒に入る若者3人組が、恐怖の一夜を過ごすという、わりと単純なものです。 老婆には一人娘がいたのですが、少女の頃亡くなり、バレエ教師であった母親は、娘を剥製にしたうえで機械仕掛けでバレエ...