仕事 食うため
大金が欲しいのは誰もが同じでしょうが、精神障害を発症して以来、生涯遊んで暮らせるだけの大金が欲しいという欲求が、日増しに高まっています。 8時間労働の達成は、かつて全労働者の悲願でした。 労働組合などの激しい運動の結果、今、私の労働時間は1日7時間45分にまでにいたりました。 それは人類がたどり着いた叡智というべきで、私は先人の努力によって、今のような待遇を受けられているわけです。 それは誠に喜ばしいことですが、どこまでも貪欲な私は、働かずに食っていける境遇を想像せずにはいられません。 例えば夏目漱石が描いた「それから」の先生。 金持ちの次男坊が、高等教育を終えながら仕事をせず、書生まで置いて人妻との不倫などを楽しんでいます。 この作品によって、当時、高等遊民という言葉が流行りましたね。それから (新潮文庫)夏目 漱石新潮社それから 夏目漱石東映ビデオ 松田優作と藤谷美和子を迎えて森田芳光監督が映画化し、その静かなせりふ回しが印象的な、佳作でした。 また、亡くなった作曲家の父親の印税で暮らし、女遊びに明け暮れている中年男を描いて優れた味わい深いコメディとなったヒュー・グラント主演の「ア...