2013-05

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文学

そのこと

昨夜、ウィスキーのロックをちびちびやりながら、かつて傾倒した三島由紀夫の「鏡子の家」をぱらぱらと眺めました。 昭和30年代の東京を舞台にした青春群像劇で、夫と別居して信濃町で娘と暮らす鏡子の家に入り浸る4人の若者の成功と挫折を描いた作品です。 すでに「金閣寺」などで名声をおさめていた三島由紀夫が、いわゆるメリー・ゴーラウンド方式と言われる、複数の主人公が互いにあまり関わることなく物語が進んでいくという手法を採った意欲作ですが、当時の文芸評論家からは酷評されたようです。 読み手が三島由紀夫に追いついていなかったものと思われます。 メリー・ゴーラウンド方式と呼ばれる手法は映画でも使われ、名作「愛と哀しみのボレロ」などが製作され、私はこの手法の物語をわりと好んでいます。 野心あふれる若いサラリーマン、プロを夢見るアマチュアボクサー、売れない画家、売れない俳優の4人の青年が同格の主人公であり、戦後の高度成長を冷ややかに見ながら4人の希望あふれる若者に自宅をサロンとして提供する鏡子が狂言回しのような役割を担っています。 彼らはそれぞれに成功し、鏡子の家から離れていき、結局挫折するのです。 最後に...
その他

41歳

私には3つ下の妹がおり、彼女は来月、41歳になります。 一方同居人にも妹がおり、昨日が誕生日で、私の妹と同様、41歳になるはずでした。 じつは私は義妹に会ったことがありません。 それもそのはず、義妹はわずか18歳で、難病のため、命を落としているからです。 私が同居人と出会った時、すでにこの世の人ではなかったということで、会いたくても会えるはずがありません。 もう亡くなって23年も経ちますが、義妹の部屋はそのまま残されており、誕生日には必ず赤飯を炊いて、私たちの元に直接届けてくれます。 切ない親心としか言いようがなく、せめて赤飯を完食することで、ささやかな供養としています。 そのため、昨夜も今朝も赤飯を食しました。 車でわずか10分の距離に住みながら、ほとんど実家に寄りつかない長女にプレッシャーをかけているようにも感じられます。  同居人は、たまに帰ると大ご馳走の上ケーキなどが用意され、熱烈歓迎されるのが煩わしく、帰る気が起きないのだと言い訳します。 しかしそれは、鶏と卵みたいな話で、熱烈歓迎されるから帰らないのか、ごくまれにしか帰らないから熱烈歓迎するのか、よくわかりません。 もし毎週...
映画

6TRAP

本日2本目のDVD鑑賞は、米国製のホラー映画、「6 TRAP」です。 もう30年くらい経つでしょうか、米国ホラーの大スター、ジェイソンを生んだ13金シリーズの昔から、米国の学園ホラーと言えば、マリファナを吸って大酒を喰らい、セックスに溺れるのが定番となっています。 わが国の学園ホラーにはあり得ない、やりたい放題ぶりです。 いったい米国の高校生は、本当にマリファナや酒やセックスに溺れているのでしょうか。 にわかには信じがたいですねぇ。 わが国は近年、ヲタク文化という新たなカウンター・カルチャーを生み出し、それはもはや世界を席巻しています。 私の知り合いにいわゆるヲタク然とした人はいませんが、漫画が好きだとか、アニメが好きだとか、ゲームが好きだとか言う人はわずかではありますが存在しています。 それらと同様の人々は、世界中にいるやに聞き及びます。 あくまで一般論ですが、ヲタクと言われる人々は、外見がよろしくなく、コミュニケーション能力に欠け、異性にもてないとされているようです。 しかし私は、そういう人を実際に目の当たりにしたことがありません。 そういう人々が世界中にいるとすると、マリファナや...
映画

4 FOUR

午後のひと時、DVD鑑賞を楽しみました。 今日はホラーではなく、サスペンス。 「4 FOUR」です。 しかしこの映画、残念ながら物語として破綻しています。  妻の浮気に気付いたお金持ちが、大金をはたいて探偵を雇い、浮気相手の男を拉致して郊外の廃墟で暴力ありの尋問をし、さらには探偵の独断でお金持ちの奥様も拉致して別室にとじこめてある、と言う設定です。 で、お金持ちが妻を問い詰めるべく妻の所へ行くのですが、探偵は顔にかぶせた袋をとってはいけない、と謎めいたことを忠告します。 しかし当然ながらお金持ちは袋を取ってしまい、すると奥様とは別人の初めて見る女が椅子に縛られており、この後だらだらと謎の女とお金持ちのやりとりがあります。 パッケージには大どんでん返しと書いてあって期待したのですが、ネタばれになりますが、じつは謎の女は探偵の奥様で、男も探偵の奥様の浮気相手だった、と言うお話。 しかもなぜ探偵がすぐばれるようなことをしたのか、全く分かりません。 強いて言えば、探偵の奥様が稀代の悪女にして凶暴な女だったというのが、少し驚いたくらいでしょうか。 ちなみにタイトルは、お金持ち、探偵、探偵の奥様、...
精神障害

新型うつ

最近新型うつという病名をよく聞くようになりました。 従来のうつ病とは似て非なるもののようです。 従来のうつ病は中年での発病が多く、生真面目で責任感が強い人に多くみられ、しかも発症を自己の弱さと捉えて自責の念にかられ、職場にいる時はもちろん、休みの日でも、また病気休暇中でも何もやる気が起きず、悶々として時を過ごし、眠っている時以外は憂鬱感や悲哀感から逃れられないのが特徴です。 一方新型うつは発症を社会や職場のせいにして自責の念を感じることがほとんどなく、職場ではうつ症状を呈しますが休みの日は元気で遊びまわっているのが特徴だそうです。 また、従来のうつ病は抗うつ薬がよく効くのに対し、新型うつの患者に投与してもほとんど効かないのだとか。 そうなると、新型うつという名称は不適切であるように感じます。 うつ病の一種ととらえると、飲み会やレクリエーションの場では元気なことから、周囲から詐病の疑いがかけられ、新型うつの患者は不利益を被りますし、まして抗うつ薬が効かないとなると、そもそもうつ病とは違う新たな精神障害と考えるべきでしょう。 また、新型うつにはまだ明確な診断基準が確立されておらず、2週間以...
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