文学 秋めく
この2、3日、すっかり秋めいてきました。 涼しくて過ごしやすいのは有難いですが、陽が短いのはやれませんねぇ。 陽が短いと、なんとなく気分も晴れません。 しかし、わが国においては四季それぞれの楽しみを味わうのが伝統というもの。 秋から冬にかけて、酒の味も上がるというものです。 うしと思ふ わが身は 秋にあらねども 萬につけて 物ぞかなしき 和泉式部の和歌です。 これなどまさしく、春愁秋思の秋思をそのまま詠んだというべきで、なんでだか分からない、秋の物思いを素直に詠んでいて、好感が持てます。 秋ふくは いかなる色の 風なれば 身にしむばかり 哀なるらん これも同じ歌人の手によるものです。 和泉式部という人は歌詠みの中でも特に技巧的で、巧すぎるのが難点とさえ言われますが、秋の歌には素朴な情趣が感じられます。 たのめなる 人はなけれど 秋の夜は 月みで寝べき 心ちこそせね これも和泉式部の歌。 こちらは、彼女らしく、秋を詠って技巧的です。 安心感がありますねぇ。和泉式部集 (岩波文庫 黄 17-2)和泉式部,清水 文雄岩波書店和泉式部日記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)川村 裕...