2015-06-19

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文学

美と恐怖

美と恐怖が分かちがたく結びついていることは、美の本質を探ってみれば、自明の理であろうと思います。 だからこそ、恐怖映画とか怪奇映画は、ロマンチックで美しいものとされてきました。 近年にいたり、即物的とも言うべき、血がドバドバ出たり、むやみに残虐シーンが多いホラー映画が生まれてから、美と恐怖の間に乖離がうまれたように誤解されるようになったように思います。 私はそうは思いません。 下品なホラー映画には、恐怖を感じません。 しかし上質なホラー映画は、恐怖とともに、うっとりするような映像美を描き出します。 つまり下品なホラー映画は美しも無ければ怖くも無いので、美と恐怖の融合など望むべくもないということです。 「シャイニング」しかり。シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン ジャック・ニコルソン,シェリー・デュバル,ダニー・ロイドワーナー・ホーム・ビデオ 「リング」しかり。リング 鈴木光司,高橋洋角川映画 「箪笥」しかり。箪笥 イム・スジョン,ムン・グニョン,ヨム・ジョンア,キム・ガプスアミューズソフトエンタテインメント 「ノスフェラトゥ」しかり。ノスフェラトゥ クラウス・キンスキー,イ...
文学

永遠

今日は梅雨寒。 最高気温は20度程度と、ずいぶん涼しく感じられます。 考えてみると、梅雨を詠んだ俳句というのは、あまり思いつきません。 俳句というと自然美に人情などをからめて詠む短い定型詩という印象が強いのではないでしょうか。 しかしあえて、この中途半端な梅雨の時季に、哲学的とも言うべき、永遠を感じさせる句を鑑賞してみたいと思います。 生きかはり 死にかはりして 打つ田かな 村上鬼城村上鬼城の世界松本 旭角川書店 この句は極めて分かりやすいながら、どこか不気味な感じが漂って、この俳人の持ち味がよく出ていると思います。 生きかはり死にかはりという句に、人間の営みの、命のサイクルとでも言うべき永遠性が感じられます。 じつにスケールの大きな句で、俳句というもののイメージをぶち壊すような破壊力を感じます。 百年後の 見知らぬ男 わが田打つ 齊藤美規白壽―齊藤美規句集 (今日の俳句叢書)斉藤美規角川書店 この句も、100年後という遠い未来に思いを馳せて、SF的な趣を醸し出しています。 100年後、私の職場が存続しているのかどうかさえ分かりませんが、まだ存在していたら、相も変わらずつまらぬ事務仕事...
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