美術

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着物

正月2日に実家で新年会を開いた折、母親から冬の着物一式をプレゼントされました。 着物なんて着ていく所もないのですが、時折能見物や歌舞伎見物に出かけますので、その際着ようかと思っています。 まだ一度も手をとおしておらず、どんなものかなとは思いますが、私は外人離れした顔をしていますので、似合うんじゃないかと思います。 それにしても、女性の晴れ着というのは、派手なような渋いような、世界で最も美しいファッションでしょうねぇ。 着物はファッションでありながらそれを芸術にまで高めた、幻想美を身にまとう強力な衣装です。 このようなファッションは世界に例がありません。 でも古い着物を着た少女というのはなんとなく不気味ですね。 顔を隠していると、よけい不気味です。 しかし幻想美とは本来不気味なもの。 時として、着物を身にまとった美しい女性がこの世ならぬ妖しい存在に見えてしまうのは、着物が持つ凶暴なまでの美しさを考えれば、当然かもしれません。にほんブログ村 ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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根付

根付が海外の古美術愛好家の間で流行っているそうですね。 なかにはオークションで3千万円以上もの値がつくこともあるとか。 印籠の先に付いている小さなウサギの柄が入ったものが根付です。 今で言えば、携帯ストラップとかキイ・ホルダーみたいなものでしょうか。 小さな物に手の込んだ細工をする日本人らしい一品です。  根付の実例をいくつか。  どれも遊び心に溢れています。 今、世界でも携帯ストラップの種類の豊富さ、細工の丁寧さはわが国が一番だと聞きました。 メールに使う絵文字や、デコレーション・メールなどもわが国独特の風習だそうです。 道具を擬人化して可愛がるのは、わが国においては何も子どもに限ったことではありません。 大の大人が、お気に入りの道具や車に愛称をつけて可愛がり、悦に入っている姿はあまり見栄えの良いものではありませんが、微笑ましくもあります。 根付どころか、米粒に絵を描く人とか、米粒で仏像を造る人までいるというから驚きです。  私は手先が不器用なのでそんなことができる人が羨ましいですねぇ。 米粒に絵を描いてみたいものです。根付 (NHK美の壺)NHK「美の壺」制作班日本放送出版協会根付...
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描かない絵画

先ほどNHKの日曜美術館で、現代抽象絵画に革命を起こしたとされるジャクソン・ポロックを取り上げていました。 ポーリングと言われる、絵の具ではなくペンキを縦横にたらして描く技法を生み出した画家です。 まずは彼の最高傑作と言われる「one」をご覧ください。 観てお分かりのとおり、一見、適当に描いた偶然の産物のように見えます。 しかしポロックは、「私は偶然を否定している。ペンキの線の一本一本をコントロールしている」と語ったそうです。 一方で、「絵の中にいるとき、私は何をしているのかわからない」とも語っているそうです。 筆を握るとトランス状態に陥ってしまうのでしょうか。 タイトルの「one」は、1という意味ではなく、ポロックと絵が一つのものになっている、という意味だそうです。 抽象画ではピカソが最も偉大な画家ですが、少なくともピカソの絵には形あるものが描かれており、無意識や幻想を形にしようとしたシュールレアリスムの延長上にいます。 ポロックは若い頃ピカソを超えようとして果たせず、「ちきしょう、あいつが全部やっちまった」と言ってピカソの画集を床にたたきつけたそうです。 それから20年後、アルコー...
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老少女 やなぎみわ

朝一番の記事で、下手な理屈をこねくり回したので少々気分が悪いです。 そこで昼休みの記事では趣向を代えて、私が今最も注目している美術家、やなぎみわの寓話シリーズを見て目の保養をしてみます。 無垢な少女と無慈悲な老女が特殊メイクで繰り広げる、怖ろしくも耽美的な作品群で、私はただうっとりと見つめる他ないのです。 糸で老女を責める少女。 モノクロームの映像が美的です。 裸で眠る少女の脇に、不自然なほど長い杖を持った老女。 裸の少女より、グロテスクな老女に目が行ってしまうのが不思議です。 マッチ売りの少女でしょうか。 少女の不自然な笑顔が、雪とマッチの光と相まって、独特の異空間をつくりあげています。 異形の老女が鳥となった少女を運ぶ姿。 老女はこれを食うんでしょうか? 怖ろしいですねぇ。 老女の顔をした少女の顔に装飾を施す少女。 世界はぐるぐる回っています。 鮮やかなカラー映像、老女たちが着飾っています。 ここは日本昔話の異界への入り口でしょうか? いずれも癖の強い作品で、猛毒を仕込んであるようです。 私はむせかえるような香気を放つこれら作品群を偏愛しています。 でもあんまり一般向きではないかも...
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酒井抱一と江戸琳派の全貌

今日は芸術の秋としゃれ込み、千葉市美術館に「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展を観にいきました。 超有名画家の名前を銘打っているだけあって、客の入りは上々。 琳派というとなんと言っても大胆な構図が得意の尾形光琳ですが、私は酒井抱一の絵のほうが、大胆さには欠けるものの、どこか上品で、力が入っていない感じがして好きです。 江戸後期、譜代大名酒井家の次男として生まれ、様々な大名家への養子の話があったようですが、すべて断り、己が信じる美の世界を貫き通したのは、なかなか見上げた根性です。 その画業は花鳥風月や俳画に留まらず、仏画や「伊勢物語」などの古典の一場面の絵などにも及んでおり、武家らしからぬ奔放さをも併せ持っています。 私が気に入ったのは、初期の頃の紅梅図です。 図録から写真を撮りましたが、うまくいきません。 下のようになってしまいました。 梅が枝を伸ばす様が、まるで何かを掴み取ろうとしている指先のように、躍動感があふれていました。 腐っても琳派といったところでしょうか。 帰りは千葉三越に寄って、スッコチハウスのシャツを二枚購入し、ドトールで珈琲を飲んで帰宅しました。 近いので楽でしたが、絵を観...
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