美術

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江戸絵画

広尾の山種美術館へ行ってきました。  この美術館は近現代の日本画を専門としていますが、江戸絵画も多く所蔵しているとのことで、今回は「江戸絵画への視線」と銘打った展覧会です。 江戸絵画といっても浮世絵はなく、狩野派や琳派、文人画などが所せましと並んでいました。 わけても酒井抱一の絵は上品なうえに私を引き込む力があり、気に入りました。 もし一点もらえるとしたら、「月梅図」でしょう。左から:酒井抱一「飛雪白鷺図」「菊小禽図」「秋草図」「月梅図」 暑いなかけっこうな人出で、江戸絵画の人気の高さがうかがえました。もっと知りたい酒井抱一―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)玉蟲 敏子東京美術酒井抱一 (新潮日本美術文庫)玉蟲 敏子新潮社↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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日本美術のヴィーナス

日比谷の出光美術館に出かけました。 日比谷公園の地下駐車場に車を停めましたが、ガラガラでした。お盆なんですねぇ。  展覧会は、「日本美術のヴィーナス」です。 江戸から終戦直後までの、浮世絵を始めとする美人画を一堂に並べたものです。 最初の絵が普賢菩薩だったのには驚きました。 中性的に表現されてはいるものの、男じゃないですか。 しかしその後は、遊女やら少女やらの美人画ばかりで、飽きさせません。  私がとくに気に入ったのが、葛飾北斎の月下歩行美人図です。 図録の写真を撮ったのですが、フラッシュで焼けてしまいました。  はかなげな美人が物思わしげに月の下をゆるゆると歩く姿は、なんとも幻想的で、私はしばし、この絵の前に立ち尽くしました。 この図録を枕の下に入れたら、満月の晩、現れて、私と夜の散歩を共にしてくれないでしょうか。 あるいは夢に現れて、月夜の逢瀬を演じてはくれないでしょうか。 画狂老人の筆の冴えは、はるか時を越え、私に恋心を抱かせたのです。
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現代の茶

虎ノ門の智美術館に行ってきました。 展覧会は、「現代の茶」です。 現代の陶工の手による名品の数々が展示されていました。 茶道具を美術館で観るのは歯がゆいですね。 どうしても、手にとって観たくなります。 茶道具は洗練された機能美が魅力だと思いますが、今回の作品は、奇をてらった、前衛的な道具が多かったように思います。 これで一服いただきたいものだ、というような道具は残念ながらありませんでした。 帰りは暑い中、赤坂のあたりをぶらつきました。 今日は立秋ですが、そんな気配はありません。 セミの声が、騒々しく、暑さを倍増させたのです。智美術館のHPです。
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能の雅 狂言の妙

今日は猛暑をおして六本木、サントリー美術館に出かけました。 「能の雅 狂言の妙」展です。 おそらくこれほど大規模な能・狂言に関する展覧会は、史上初ではないでしょうか。 衣装、面、小道具、大道具、それに絵巻まで、展示物は多岐に渡っており、私はしばし陶酔しました。 国立能楽堂が集めたコレクションということで、私はそう広くもない美術館を二時間近くもさまよったのでした。 能楽は演劇や舞踊としてだけではなく、それに関わるあらゆるものが美的なのです。  その洗練された美は、私のわずかな知識からすると、世界に例を見ないものです。  このような幻想的な総合芸術を生みだした我がくにの祖先たちの優れた感性には、驚嘆せざるをえません。 その芸術性は、古典でありながら前衛的で、先進的です。 三島由紀夫は「近代能楽集」を著しましたね。 能は今なお、進化し続けているのです。近代能楽集 (新潮文庫)三島 由紀夫新潮社
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MASKS 仮の面

猛暑のなか、千葉市美術館に行ってきました。 「MASKS 仮の面」展です。NHKの日曜美術館で紹介されたせいか、盛況でした。 日本、アフリカの仮面を中心に、アジアやオセアニアの仮面がこれでもか、というほど展示されていました。 多くは、呪術的な意味合いの濃い、厄除けや、あるいは精霊を模ったものです。日本でいえば、天狗や鬼の面がこれにあたります。 そしてそれらは、不気味でありながら、どこかユーモラスです。 人々の暮らしがそうであるように。 呪術的な面に比べて、能面は、それが般若であっても爺であっても、また醜女であっても、はるかに洗練され、美的です。 とくに今回 の展示のように並べてあると、一目瞭然です。 人々の祈りが凝縮した呪術的な面も魅力がありますが、私はどうしても、スタイリッシュな能面に魅かれます。仮面―そのパワーとメッセージ佐原 真,勝又 洋子里文出版能面入門金春 信高平凡社
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