美術

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二条城展

今日は江戸東京博物館に二条城展を観にいってきました。 この博物館、都内にしては珍しく、巨大駐車場があるのですよねぇ。 その分行くのが気楽です。 二条城展は、徳川家康による造営から、徳川慶喜による大政奉還までの徳川家の栄枯盛衰を追いながら、襖絵や天井画の実物が展示されていました。 京都から外して持ってきたんでしょうねぇ。 今京都の二条城に行ってもお宝が観られないということで、得した気分。 それにしても武家政権が好む美術というのは荒っぽいものだ、という印象を受けました。 二の丸御殿大広間の「松鷹図」など、巨大な上に鷹があり得ない比率の大きさで描かれており、縮み志向の日本美術の中では、異色です。 権力者だけあって、金ぴかのやかんの様に大きな酒盃だの、派手さが目に付きました。  後水尾天皇に嫁した徳川秀忠の娘、東福門院の木像には、菊の御紋と葵の紋が並んで彫られており、これは不敬なんじゃないかと思いました。 徳川将軍家はかしこきあたりと並び立つと言いたかったんでしょうけれど。 暑さ厳しいせいか、館内はエアコンが効いていますから、けっこう客が入っていました。 帰り、ドトールで休んでいると、イタリア...
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エミール・ガレ

一昨年の今頃、目黒区美術館でエミール・ガレの生きた時代という展覧会が開かれました。 行こう行こうと思っているうちに展覧会は終わってしまい、その後忘れていました。 このほど某図書館でその時の展示図録を観る機会に恵まれ、改めてフランス、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸品や家具や調度品などの名品に酔いました。 トリステの花器です。 後に退廃的と称され、美術的価値が低いとされたアール・ヌーヴォーですが、この作品には退廃的な香りはしませんね。 むしろ花瓶の青の、その青さが際立って、何か霊的な感じがします。 一方こちらの置物は、悪趣味とさえ言える異彩を放っています。 むしろこちらのほうがアール・ヌーヴォーのイメージに近いかもしれません。燕文両耳付鶴首花器です。 こちらはまた、なんとも繊細な花器ですねぇ。 ぽきっと折れちゃいそうです。 燕たちがひそひそ話をしている図柄が可愛らしいですね。 なんと燕たち、墨で描かれているそうです。 新しい技法を生み出したのでしょう。 アール・ヌーヴォーは直訳すれば新しい芸術ということですから、19世紀末の芸術家たちは、競って新しい技法を生み出したのでしょうねぇ。...
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ボストン美術館 日本の至宝特別展

今日は上野の東京国立博物館へ出かけました。 展示は、「ボストン美術館 日本の至宝特別展」です。 さる筋から招待券をもらったので、行ってきました。 車を上野警察署前の時間貸し駐車場にとめて、てくてくと歩き出しました。 都内一、安全な時間貸し駐車場なのではないかと思います。 目の前が警察署ですからねぇ。 東京国立博物館に着くと、入場者多数につき、入場制限を行っているとのことで、30分待ちと言う案内。 げんなりしましたが、ここまで来て観ずに帰るわけにもいきません。長蛇の列に並びました。 やっと入ってはみたものの、混んでましたねぇ。 東京国立近代美術館に「上村松園展」を観に行った時以来の混雑ぶりです。 私が嫌いなものは、上り坂と、待つことと、人混み。 上り坂以外は揃っているではありませんか。 美術鑑賞というよりは、人の頭の多様さを観に行ったようなもの。 はげあり、バーコードあり、茶髪あり、帽子あり、不本意ながらあらぬ物を観察してしまいました。 展覧会は、絵巻、襖絵、小袖、刀剣、仏像仏画などがバランスよく揃っており、お隣、本館のミニチュア版が平成館に出現したかのごとくでした。 これらわが国古来の...
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メイプルソープ事件

今日、2月19日という日を迎えて、私はメイプルソープ事件で最高裁がメイプルソープの写真集はわいせつ図画にあたらないとして出版社の主張を認め、国側敗訴の判決を出したときのことを、はっきりと思い出します。 2008年のことでした。 メイプルソープといえば、現代米国を代表する写真家。 花の写真や男のヌードの写真が多いですが、彼の死後発行された「Mapplethorpe 」という写真集に、男性性器を露出させた作品が何点か掲載されているのが問題となったようです。 下がその写真集です。↓MapplethorpeRobert Mapplethorpe Foundation,Arthur C. DantoTe Neues Pub Group                                                    古くはサド裁判といい、四畳半襖の下張り裁判といい、わいせつか芸術かを争う裁判においては、常に国側が勝訴し、芸術家や出版社は敗訴してきました。 それがメイプルソープ事件では国が敗訴したわけで、この種の事件では画期的なことです。 では、メイプルソープの写真をいくつか。...
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ダリの命日

今日はスペインの天才画家、サルバドール・ダリの命日です。 1989年、私が大学生の時でした。 彼は奇行で知れらていましたが、親しい人の前では繊細で常識的だったそうです。 勝新太郎が記者会見でもう酒も煙草もやらない、と語りながら、旨そうに煙草をふかし、ワインを飲んでいたようなもので、一種の偽悪だったのではないでしょうか。 若い頃シュールレアリスム運動に加わりながら、アンドレ・ブルトンの怒りをかい、除名されたりもしました。 アンドレ・ブルトンによれば、ダリのファシズムへの親和性を問題視したようですが、じつは高額で売れるその作品に嫉妬したのかもと考えることは、碌な作品を残さなかった文芸家のブルトンらしいともいえ、面白いものです。 私は中学生の頃ダリの絵と出会い、強烈な印象を残しました。 いわゆるシュールレアリスムにしては分かりやすいし、写実の技法で幻想的な絵を描くというのが、非常に新鮮に思われました。 では、ダリの絵を二つ。 美醜を超えようとしたシュールレアリスムを除名されたのは当然かもしれません。 ダリの絵は、どこまでも美しいですから。ダリ・私の50の秘伝―画家を志す者よ、ただ絵を描きたま...
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