仕事

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計算証明規則

国立の機関は、毎月、契約関係の書類を、差し替えが出来ないように製本し、会計検査院に提出することが義務づけられています。 これは計算証明規則に定められており、国立機関の契約事務、決算事務を担当する者にとっては知っておくべき必須の仕事です。 しかし、国立機関において定員削減が進み、人員が不足した結果、非正規雇用の職員に実務を任せざるを得なくなり、根本的な国の会計制度を知らぬまま、わずかな経験を絶対と信じ、それを基に仕事を進めるような困ったちゃんがあまりにも増えてしまいました。 そういう人からたくさんの質問を受け、答えているうちに、私は絶望的な気持ちになります。 非正規とはいえ10年以上も国の会計事務に携わっている人が、国の根本的な会計制度を知らぬまま、おのれの小さな常識を信じ、日々、伝票を作っているのですから。 えてしてこういう人は、実務に通じていることをもって、私からみれば笑っちゃうような自信のもと、仕事を進めようとします。 私はいちいち根拠法規を示し、愚かな狭い常識にこだわるのは間違っていると説明しますが、凝り固まった頭をほぐすのはなかなか難しいものです。 私は、これらの人々を正しく導...
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開放感

怒涛の5日間を皆勤し、わずかな開放感に浸りながら、焼酎のロックをちびちびやっています。 それにしても、何事もなく平和に5日間が過ぎたという記憶がありません。 組織で働いていれば、必ずくだらぬ問題が日々持ち上がり、例えくだらなくてもそれを解決するにはそれなりの理屈を立てて、上司や他の部署を説得し、正しいルートでオーソライズしなければなりません。 働くというのは誠に面倒くさいことです。 私が勤務してきたのは、いずれも文部科学省所管の国立研究機関や国立大学です。 おそらく世間的には、暇で気楽なイメージを持たれていると思います。 私自身、暇で気楽そうだと思って就職したのです。 しかし、それら機関には、ラインで動く組織人たる行政職と、研究命のスタッフたる研究教育職員がおり、これが協業して仕事を進めようとすると、元々の行動原理が異なるため、軋轢を生むことがしばしばあります。 行政職にある者にとって、何より重要なのは、法律や規則に照らして適切であるかどうかということ。 また、新たな状況が生まれればそれに即して規則を改廃することが重要です。 とくに昨今、財政状況厳しいおりから、予算の執行に関しては厳密...
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ブルー・マンデー

憂鬱な月曜日の午前中の勤務が終わりました。 毎週のことですが、この憂鬱感は耐えがたいものです。 しかも、なぜか必ず、小さな問題が発生し、対応を誤るとそれは大きな問題になってしまうので、細心の注意が必要です。 私が就職したばかりの頃は、まだ職場でのメンタル・ヘルスの重要性があまり認識されておらず、うつ状態になって長く休んでしまうと、管理職がそれとなく自主退職を促すことがよくありました。 中には、3月31日に3月31日付けで辞職したい、という辞職願いを出した者もいます。 規則では、辞職願いは辞職の一か月以上前に提出し、残務整理や引き継ぎをきちんと行うことが義務付けられています。 それなのにその辞職願いは呆気なく受理され、その日のうちに人事異動通知書を作成し、辞職と相成りました。 困っちゃったのは財務担当の部署です。 3月31日付けで辞職されてしまっては、退職金を当該年度の予算から払う必要があり、そんな金は残っていなかったからです。 その時どうやって退職金を支払ったのかは知りませんが、38歳で係長に昇任し、それがプレッシャーとなって発病し、病気休暇を余儀なくされ、一年後には辞職してしまいまし...
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食うため

大金が欲しいのは誰もが同じでしょうが、精神障害を発症して以来、生涯遊んで暮らせるだけの大金が欲しいという欲求が、日増しに高まっています。 8時間労働の達成は、かつて全労働者の悲願でした。 労働組合などの激しい運動の結果、今、私の労働時間は1日7時間45分にまでにいたりました。 それは人類がたどり着いた叡智というべきで、私は先人の努力によって、今のような待遇を受けられているわけです。 それは誠に喜ばしいことですが、どこまでも貪欲な私は、働かずに食っていける境遇を想像せずにはいられません。 例えば夏目漱石が描いた「それから」の先生。 金持ちの次男坊が、高等教育を終えながら仕事をせず、書生まで置いて人妻との不倫などを楽しんでいます。 この作品によって、当時、高等遊民という言葉が流行りましたね。それから (新潮文庫)夏目 漱石新潮社それから 夏目漱石東映ビデオ 松田優作と藤谷美和子を迎えて森田芳光監督が映画化し、その静かなせりふ回しが印象的な、佳作でした。 また、亡くなった作曲家の父親の印税で暮らし、女遊びに明け暮れている中年男を描いて優れた味わい深いコメディとなったヒュー・グラント主演の「ア...
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監査

今日は図らずも監査法人による監査のため、2時間の残業になってしまいした。 会計検査院の検査ほどではないにしても、会計監査というのは面倒くさいものです。 ただ、監査が入ることにより、書類はきれいに整い、過去のミスが見つかるので、これはこれで結構なのかもしれません。 以前、宇宙科学研究所が、うん千万円もするロケットを資産管理せず、消耗品として扱っていたことが問題になったことがあります。 私の業界では、50万円以上の物品は資産、10万円以上50万円未満の物品は少額資産として資産管理台帳に記載して管理することになっています。 それが、ロケットを消耗品とは、なかなか度胸があります。 しかし、ロケットの性格を考えれば、打ち上げてしまえば戻ってくることはなく、消耗品と言えば消耗品かもしれません。 また、京都大学霊長類研究所では、猿を資産管理しているという話を聞いたことがあります。 猿一匹がどれほどの値段なのかは知りませんが、資産と言えば資産かもしれません。 時代は進化し、かつてのように金額だけでそれを資産と定義づけるのは難しくなっていることは確かでしょう。 例えば、10万円に満たない物品は消耗品とい...
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