思想・学問

スポンサーリンク
思想・学問

1兆分の1秒後

現在世界の宇宙物理学者が、リニアコライダーなる巨大実験機器を作るべく、各国政府に働きかけているそうです。 これが完成すると、ビッグバンから1兆分の1秒後の状態がわかるんだとか。 現在の技術では、1億分の1秒後の世界までしか分かっておらず、1兆分の1秒後の世界が判明すれば、宇宙誕生の謎に迫ることができるんだそうです。 夢のある話ですねぇ。 ただ、膨大なお金がかかるそうです。 主要先進国はのきなみ及び腰。 その中で安倍総理だけが、研究チームの代表と会い、前向きな返答をしたとか。  落ちぶれたりとはいえ、わが国はまだお金持ちの部類。 科学技術にお金を落としてほしいものですが、ざっくり1兆円程度必要で、そのうち半額の5000億円を設置国が拠出し、残りの半額をEUや米国、ロシアに出してもらうんだとか。 この装置によってダーク・マタ―(暗黒物質)の正体が分かるかもしれません。 そうなれば、様々な実社会に役立つ分野への応用も期待できるとか。 知りたいという欲望は人間の根源的な欲望の一つですから、これをわが国が率先して行えば、日本ここにあり、という存在感を示すこともできます。 アベノミクス効果で景気が...
思想・学問

数千億万人

政治家の主たる仕事というのは、言うまでもなく法律を作ったり改正したり廃止したりすること。 民主主義国家においては、基本的に何事も多数決で決められます。 極端な話、半分+1人の賛成で法律は成り、半分-1人の意見は尊重されることはあっても結果的には切り捨てられます。 そう考えると、政治家の仕事はシビアですね。 憲法改正に限っていえば、衆参両院で3分の2が賛成し、さらに国民投票で過半数の人々が賛成しなければ、改正は成りません。 厳しい要件に胡坐をかいて、今に至るまで憲法改正が成らなかったことは、政治の不作為とも言うべきで、政治家のみなさんには反省を求めたいところです。 今朝の某新聞に、興味深い記事がありました。 民俗学者の柳田國男の言葉を引用し、法律の改廃、制定にあたる者の心構えを説いたものです。 「時代ト農政」に書かれているそうです。 国家の生命が永遠でありますならば、予め未だ生まれてこぬ数千億万人の利益をも考えねばなりませぬ。 況や我々は既に土に帰したる数千億万人の同胞を持って居りましてその精霊もまた国運発展の事業の上に無限の利害の感を抱いているのであります。 ごもっとも。 中曽根元総理...
思想・学問

若作り

NTTアドの調査によれば、「実年齢よりも若く見られたい」と答えた人は男性が55.4%に対し、女性はなんと77.3%にものぼったそうです。 ずいぶん多いですねぇ。 私が小学生だった30年前くらいまでは、年相応に老けるのが良いとされていたように思います。 今思えば私が幼児の頃、祖母は50代だったはずですが、真夏以外は大抵地味な着物を着て、二言目には「あたしは年寄だから」と口にしていました。 最近は40代でも50代でも、変に若々しく見える人が増えたように思います。 食生活の変化や運動の習慣などがあるのでしょうが、何より社会の価値観が、若々しいほうが良い、という風に変わってしまったせいのような気がします。 私は165センチと身長が低く、顔のつくりが子供っぽかったせいで、35歳くらいまで5つ以上若く見られることが多く、それが悩みで、よく逆サバ読みしていました。 35歳なのに40歳だと言ったり。  私が28歳、同居人が29歳の時に籍を入れましたが、同居人はしばしば私を初めて見た知り合いから、「旦那いくつ年下?」などと尋ねられ、憤慨していましたね。 同居人が老けていたわけではなく、私が子供っぽかった...
思想・学問

メイ・デー

今日はメイ・デーですね。 1886年5月1日、米国はシカゴで労働者が8時間労働を求めてストライキを行ったのがその起源だとか。 当時は単純労働者の労働時間が12時間以上だったと言いますから、8時間労働の実現はユートピアのように思えたでしょう。 トマス・モアの「ユートピア」では労働時間は6時間とされていますから、それより2時間長い労働時間を勝ち取るために、先人は頑張ったのですねぇ。 今、私の労働時間は7時間45分。 隔世の感があります。 しかし人間というのは欲深なもので、今の私はトマス・モアのように6時間労働を夢想しています。 わが国でも大正時代からメイ・デーの運動が行われ、太平洋戦争の最中とその前後を除き、今も続けられています。 私が中学生の頃、5月1日は必ず休暇を取る教師がけっこういました。 たぶん日教組の教員だったのだろうと思います。 今では組織率が3割程度まで落ち込み、見る影もありませんが、30年前にはけっこう影響力のある組織でしたね。 労働組合に偏見を持つ人は多いと思いますが、私は労働組合が行ってきた運動は、括目すべきだと思っています。 時の政府に逆らうような行動にまで出て、多く...
思想・学問

誇り

平日の朝目覚めるたびに、今日はずる休みしてやろう、という気持ちに襲われます。 しかしその日のスケジュールを思い起こし、泣く泣く出勤の車に乗り込むのです。 飯を食い、酒を飲むためにはやむを得ざる仕儀というわけです。 3回目の長期病気休暇から復職して今月末でちょうど丸3年。 欲深な私は、給料を守るために、ただ隠忍自重の日々を重ねてきました。 しかしこの3年間を思い起こしてみると、私は傲慢なまでに、おのれ独りの事務処理能力に恃み、困難に出会って泣きたい時も、平気なふりをして、世界一気楽な仕事をしているかのような顔でやせ我慢を続け、すると不思議なことに問題は解決していったのでした。 安倍自民党も維新の会も、判で押したように教育改革の必要性を訴えます。 それは学校教育のことで、じつは最も重要な教育は家庭で行われます。 特に学齢期にいたるまでの幼児教育は、子供の将来を左右する重大なものです。 私には子供がありませんが、平たく言って、父親の役割はシンプルなものだろうと思っています。 まず、子供を子供としてではなく、小さな大人として、一人前の人間として尊重することです。 さらに、子供を、世界で最も重要...
スポンサーリンク