思想・学問

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大学ランキング

世界の大学ランキングというのが毎年発表されます。 ここで30位以内に入るのはわが国では東京大学だけ。 それも27位。 寂しいかぎりです。 それでも、アジアの大学では1位となっています。 いかに高等教育が欧米中心となっているかが分かります。 残念なのは、東京大学は論文の引用数では世界トップレベルにあるのに、総合評価では27位にしかならないことです。 留学生の受入れ数など、研究よりも教育分野で低い評価を受けています。 これは長いことわが国の大学教員が研究を重んじ、教育を軽く見てきた証拠でしょうねぇ。 しかし近頃、高等教育機関は広報や外部資金の獲得に熱心になってきています。 少子高齢化が進み、大学が淘汰される時代が近付いたためだと思われます。 平たく言えば、金を引っ張ってこられる教員と、学生に人気がある教員が生き残るということになりましょうか。 時代の流れとはいえ、地道に基礎的な研究をしている学者にはしんどいことになりました。 特に文学・哲学などの分野においては、いかに高名な学者といえども、外部資金を獲得するのは困難でしょう。 どうしても医学・薬学・工学など、利益に結びつく分野が有利です。 ...
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ボストンマラソンと道徳律

ボストンマラソンの最中、爆発事件が起きました。 それも2回続けて。 死者3人、負傷者は130人にも達するそうです 怖ろしいですねぇ。 ランナーも観衆も生きた心地がしなかっただろうと思います。 米国政府はテロ事件と見ているようです。 テロというのは昔からあり、それが大規模になれば革命となり、革命が成功すればテロはテロとして裁かれることはなく、むしろ英雄的行為として賞賛されます。 よく、一人殺せば殺人犯だが、100万人殺せば英雄だ、などという言説を耳にします。 人間の歴史をみれば、悲しいかな、それは事実。 正義というものも時と場所によって大きく変わります。 現代、わが国を含む先進諸国では、自由と民主主義が普遍的価値とされています。 しかし、未来永劫続く普遍的価値など人の世に存在し得ようはずもなく、それがじつは嘘であることは疑いの余地がありません。 ただ、現世を上手に生きていくためには、自由と民主主義を信奉しているふりをするほうが得策です。 戦時中、多くの人が天皇が神だなどとは思っていないのに、時代の要請に従って、やむを得ず天皇陛下万歳を唱えて戦いました。 自由と民主主義を擁護するのもそれと...
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復活祭

今日はキリスト教西方教会系ではイースター(復活祭)なんだそうで。 キリスト教では、磔にされたイエスが死後3日経って復活したとされており、今日がその復活を祝う祭りだと聞き及びました。 しかし毎年何月何日と決まっているわけではなく、3月後半から4月前半の日曜日、月の満ち欠けによって決まるんだとか。 また、西方教会系と東方教会系では、布教の過程で土着の古い宗教の習慣を取り入れたため、イースターを祝う日も違うとかで、なんだかいい加減ですねぇ。 よく米国の映画などを観ていると、イースターにはウサギの着ぐるみを着た人々が練り歩き、家庭ではそれぞれに思い思いのご馳走を楽しんでいますね。 中東諸国がイスラム教化前と後では大きく生活が変わったように、欧米ではキリスト教以前と以降で人々の生活や思考パターンが大きく変わったものと推察します。 しかるにわが国では、仏教伝来後も根強く神道は残り、ついには神仏習合なんていう破天荒な理屈を作って、共存共栄を図ってきました。 今でこそ神道の守護者に見える天皇家も、長いこと仏教を庇護し、出家して法皇となられる天皇も多くおられました。 聖徳太子の父帝の用明天皇は、「仏法を...
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犀の角

今日もまた、引きもきらぬ俗物どもを相手に、つまらぬ仕事で一日を過ごしました。 連中から見れば、当然私もくだらぬ俗物ではありましょうけれど。 人が職場で過ごす一日は、言ってみれば嘘八百を並べ立て、脅してみたりすかしてみたり、誠に愚かな猿知恵で日々を暮らしているものだと実感します。 霊長類なんて偉そうに名付けてはみたものの、およそ自然界を見回して、猿とその子孫ほどくだらぬ欲望にうつつをぬかし、馬鹿げた権力闘争を繰り返している生き物もおりますまい。 はるか室町時代、「閑吟集」に見られる歌謡に、 人はうそにてくらす世に 燕子が実相を談じ顔なる という文句が見られます。 全くそのとおり。 人が嘘八百を並べて俗界を生きているのに比べ、燕はその鳴き声でこの世の真実を語り合っているように見えるというわけです。 「閑吟集」という書物、なかなかシニカルで、この世の真実の裏の裏を突いているようで、興味深いものです。 それにしても、人はなぜこの儚い世に生まれ、限りある命を使って、出世やら、女性であれば子どもがいるかいないかとか、他人より優位に立ちたいと思うのでしょうね。 お釈迦様は己と仏法のみを光とし、犀の角...
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人生がもったいない?

ある時、40歳を過ぎた女性が、働いた経験もなく、独身を貫き、裕福な親と同居し、多額の小遣いをもらい、スポーツや旅行、芝居や美術鑑賞を楽しんでいる姿を紹介したテレビ番組を放送していました。 それを一緒に観ていた父が、一言、「人生がもったいない」と呟きました。 私は父とは真逆の感想を持ちました。 素晴らしい人生だ、と。 私は食うためにつまらぬ宮仕えに耐え、惚れた女と暮らすためには常識的に籍を入れるのが効率的だと思ってそうしました。 しかしそれが、私に幸福感をもたらしたかと言えば、大いに疑問であると言わざるを得ません。 なるどほど、私は手堅い職場に就職し、安月給ながら食う心配はありません。 また、この人ならば、という相手と入籍し、家庭を築きました。 しかし私は、これらこの世を上手に渡っていくための方途を自ら選んだことに、激しい後悔を感じます。 乞食をやったって食っていくことはできましょう。 家庭を持つなど、自ら重い荷物を背負うようなもので、賢明な者のすることではありません。 要するに私は、おのれ本来の深い欲望よりも、世間体だとか、常識だとかを重視したわけです。 なんという俗物。 私は俗物を馬...
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