思想・学問

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死期

猫や象は死期を悟るといずこへともなく消えていく、という話を耳にします。 最期はおのれ一匹または一頭となってあの世へと去っていきたいのでしょうか。 なんだか羨ましいような気がします。 スパゲティ症候群などと言って、体中に管を通され、無理矢理死期を延ばされる病人がわが国には多すぎるような気がします。 人間には未来を予知する能力は無いとされ、死期を正確に悟ることは不可能だということになっていますね。 それは本当なのでしょうか。 人間は文明化の過程で失った能力がたくさんあるように思います。 今では超能力とか超自然現象とされていることも、太古においては単なる能力、単なる自然現象でしかなかったのではないかと直感します。 そうでなければ、占いや霊感商法にはまる人が現代でも数多く存在する理由がわかりません。 現代人もまた、太古の昔持っていた未来を予知する能力や、死者や精霊との交流が、じつは私たちが今ここに存在するのと同じ程度の確からしさをもって、確かな物だと本能的に感じているのではないかと思わずにはいられません。 科学的に証明されていない物は存在しないとするならば、おそらくこの宇宙に存在する物質の大半...
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持ち時間

昨日・今日と続いた漢籍文化の国際シンポジムが終わりました。 日本・中国・台湾などの漢籍の研究者が集まって、200名程度の聴衆の前で発表や討論を繰り広げ、私は映写室からそれをぼんやりと眺めていました。 日本人研究者と中国人・台湾人研究者との顕著な違いは、持ち時間に関する感覚。 日本人研究者はみな持ち時間を守りますが、中国・台湾の先生方は、10分や15分、超過して平気です。 中には40分も超過した強者がいました。 もともとの持ち時間は20分なのに、1時間も熱弁を奮うのだからかないません。 しかも馬鹿でかい声で。 高感度マイクがあるのだから、大声を張り上げる必要などありません。 日本人は時間に精確だとよく言われますが、このシンポジウムを見ていて本当にそうだなぁ、と思いました。 それと、日本人研究者はパワー・ポイントを使うのに対して、中国・台湾の研究者はワードを使うのが気になりました。 言うまでもなく、ワードはいわゆるワープロ・ソフト。 文章を書くためのソフトです。 パワー・ポイントはプレゼンテーションを効果的に行うために開発されたソフト。 見る側からはもちろん、発表する側からしてもパワー・ポ...
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霜降(そうこう)

今日は暦の上では霜降(そうこう)ですね。 露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也、と暦便覧にあります。 霜降れば 霜を楯とす 法(のり)の城   高浜虚子 法の城とは、仏法のこと。 固く守るということで、城に喩えられるそうです。 句意は、霜のようなはかないものでも、自らを恃みとして仏法を守るものだという、かなり抹香くさい句です。 原始仏教では、法を恃み、己を恃みとして犀の角のようにただ一人歩め、とお釈迦様は説いています。 漢語では自灯明法灯明(じとうみょうほうとうみょう)なんて言いますね。 おのれと仏法だけを頼りにして、一人、修行せよということですが、これがなかなか難しい。 人間はきわめて社会的な生き物で、坊主の世界にも組織があり、序列があります。 そんな中、ただ一人歩めというのは、厳しい言葉だと思います。 日本仏教では禅宗がわりとこの言葉に忠実かと思いますが、一方、自力での修行を諦め、ひたすら阿弥陀仏の衆生を救いたいという本願にすがり、他力=阿弥陀仏の力で救われようとする浄土教が庶民の広い支持を得、現在わが国の寺院では浄土真宗が最も多くの信徒を誇っています。 私は若い頃禅門の厳しい姿...
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韓国人のノーベル賞はいつ?

日本人がノーベル賞をとるたびに、日頃日本叩きに忙しい韓国マスコミは突如豹変し、嫉妬混じりに日本人学者を、そしてわが国の学術行政を賞賛し、翻って韓国はだらしない、と反省一辺倒になりますね。 韓国でノーベル賞を採ったのは平和賞の金大中だけ。 平和賞は政治的な色合いが濃く、何かと批判されます。 韓国ではこれといった文学者がいないのか、文学賞ははなから諦めているようで、科学関係の賞が欲しくて仕方ないようです。 でも地道な努力と、失敗の連続にめげないしつこさを、彼らが持っているとは思えません。 それどころか論文の盗作や、恣意的に実験結果を導いたりすることが日常茶飯事のかの国にあって、そんな馬鹿正直な学者は少ないのではないかと思います。 予算だけを考えれば、わが国の学術行政はそんなに潤沢なわけではありません。 しかし、競争的資金が多く、そのために結果として優秀な研究への選択と集中が行われていることはありうると思います。 だいたいノーベル賞なんて、狙って取れるものではありません。 むしろ気が付いたら貰っていた、という感じなのではないでしょうか。 そこがオリンピックのメダルとは大きく違いますね。 一発...
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五千円札

今日は五千円札に描かれている新渡戸稲造の忌日なんだそうで。  米国で「日本では宗教教育をしていないそうですが、それでどうやって道徳を教えるのですか」と問われ、世界的なベストセラーになる「武士道」を英語で書いたそうですね。 その後国際連盟事務次長などを歴任して、1933年の今日、わが国の軍国化と共産主義思想の流行を憂いながら亡くなったと聞きます。 わが国の道徳の源泉を武士道に見たというのは慧眼ですねぇ。 わが国では封建制の昔から、職人なら職人、百姓なら百姓、商人なら商人、それぞれがそれぞれの立場で道というべき道徳律をもっていました。 それを端的に表したのが「武士道」なのでしょう。 では今、わが国の国民が拠って立つべき道徳律とはどういうものなのでしょうね。 今も日本人は礼儀正しく、規律を重んじるとされています。 震災などの際に暴動や略奪が起きないことを世界は驚きの目を向け、賛嘆しますが、私たち日本人にしてみれば、なんだって悲惨な目にあっている上に、それをさらに悪化させる暴動や略奪が起きるのかが不思議です。 幕末、隅田川花火大会を見物に行った欧米人が、「わが国であれば間違いなく暴動が起きるよ...
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