思想・学問

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赤ちゃんと猿

人間の赤ちゃんと10歳くらいのチンパンジー(人間の高校生くらい)とで、面白い実験をしたそうです。 すなわち、女性がペットボトルのジュースをグラスに注ぐ映像を見せると、チンパンジーはジュースにばかり目が行くのに対し、人間の赤ちゃんは女性の顔ばかり見ているというのです。 このことから、人間は生まれながらにして他人の顔色を窺うようにできていると言えるのではないか、と推測されるそうです。 でもこれ、わざわざ実験しなくても、大方の人は経験的に知っていることですよねぇ。 1920年代後半にホーソン実験によって人間関係論が唱えられ、作業能率の向上には良好な人間関係が不可欠だ、と、E.メイヨーが結論付けた時、西洋人はあっと驚いたそうですが、私たち日本人はそんなことに驚くことにあっと驚きます。 当たり前でしょうが。 嫌なやつと働くよりも気心知れた相手と働くほうが生産性が上がるに決まっています。 欧米人は労働者をロボットだとでも思っていたのでしょうか。 そんなことでよく産業革命を成し遂げてきましたねぇ。 赤ちゃんとチンパンジーの実験にも、同じ匂いを感じます。 科学的な実験というもの、本当にあっと驚く結果を...
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建国記念の日

今日は建国記念の日ですね。 せっかくの祝日が土曜日と重なったのは誠に悔しいかぎりです。 休みを一日損した気分。 建国記念の日は、戦前、紀元節と呼ばれ、紀元前660年のこの日、初代天皇である神武天皇が即位した日とされています。 戦後はGHQが紀元節を嫌い、長く祝日ではありませんでしたが、占領軍が去ると国民の間から紀元節復活を願う声が澎湃として起こり、10年近い議論の末、昭和41年に建国記念の日として復活しました。 戦後の歴史学界では、長く、神武天皇を含めて最初の十代は実在しない、神話上のフィクションであるとされてきました。 なにしろ寿命が異常に長いのですよ。 神武天皇は126歳まで生きたことになっています。 しかし近年の歴史学研究の結果、寿命はともかく、神武天皇に相当する人物の実在を否定することはできない、という説に傾いてきました。 時代が変われば常識も変わるということでしょうか。 「日本書紀」によれば、神武天皇は橿原宮で即位した際、 六合(くにのうち)を兼ねて都を開き、八紘(あめのした)を掩(おほ)ひて宇(いえ)にせむこと、またよからずや             と宣言したことになって...
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針供養

今日、2月8日は針供養。 関西地方では12月8日が一般的だそうです。 2月8日は農作業を開始する事始め。 12月8日は農作業を終了する事納め。 仕事の区切りに、家庭内の仕事の主役である針を、豆腐やこんにゃくなどの柔らかい物に刺して休ませる、という粋なはからいを実行に移そうというわけです。 色さめし 針山並ぶ 供養かな   高浜虚子 写真の針は色などさめてはいないし、折れ曲がってもいないように見えますが、使えば傷むのは道具も人間も同じこと。 傷めば手入れしなければならず、人間なら風呂に入ったり病院に行ったり、機械なら油を挿したり部品を取り換えたりしますが、針というあまりにもシンプルな道具を手入れする方法は、日頃堅い物にばかり刺していたものを、年に一度くらいは柔らかいものに刺して供養するとは、繊細で美しい感性ですねぇ。 わが国民は供養ということに関して洗練されています。 針供養、鋏供養、鏡供養、表札供養、仏壇供養、印章供養、人形供養などなど。 物を人間に対するように供養するのですねぇ。  これは子どもの感覚に似ています。 人形やぬいぐるみだけでなく、あらゆる物に人格を見て擬人化する。 多く...
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節分

今日は節分ですね。 季節の変わり目には邪気が発するため、これを祓うために邪気を鬼に見立て、追い払おうというものです。 私も子どもの頃には実家で豆まきをしました。 「鬼は外、福は内」と。 しかし埼玉の鬼鎮神社では、「福は内、鬼は内」と掛け声をかけるそうです。 鬼を祀っているのであれば当然でしょうねぇ。 浅草寺には鬼はいないということになっていますので、「福は内」のみだそうです。 所変われば、ですねぇ。 私は高校生の頃、鬼は大和朝廷から見た異界の民族だという説を知り、さらにわが国における鬼の起源は嫉妬に狂う女や、子どもを守ろうとして異常な状態になった母親だという説を知るにいたり、鬼に同情的になり、単純に「鬼は外」と言うことが苦痛になってしまい、実家での豆まきに参加しなくなりました。 能や歌舞伎の演目「土蜘蛛」は、怖ろしい妖怪、土蜘蛛を源頼光が退治する痛快譚ですが、古く、土蜘蛛は蝦夷に住んで大和朝廷に反逆した人々の異称でもあると知り、わが国の古代に行われたであろう過酷な虐殺を含む国家統一に思いをいたしました。 我が家には、傷つき、心を痛めたであろう鬼たち、不本意ながら鬼になってしまった人々を...
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キリストの墓

キリスト教によれば、イエスは磔になった後復活し、天上に上ったということになっていますから、キリスト教徒にとってキリストの墓は存在するはずがない、ということになります。 一方、異端とされる説では、イエスはヨセフとマリアの間に生まれた普通の子どもであり、洗礼を受けた時、神の子、キリストになったとします。 磔になったとき、神の子、キリストは天上に上ったが、イエスは人間に戻って遺体となったため、墓は存在すると主張します。 キリストの墓とされる物は世界中に存在しています。 まずインド・カシミール。 カシミールのユダヤ人はすべてイスラム教に強制的に改宗させられていますが、その墓を守る家族だけが改宗を免れ現在もユダヤ教徒だそうです。 古い墓には、ユダヤの言葉であるヘブライ語での記述があり、記述によるとイエスは112歳まで生きたとされています。 次に南フランスの小さな村レンヌ=ル=シャトー。 このあたりは13世紀頃、異端のカタリ派が支配しており、後に十字軍によって滅ぼされますが、秘宝を残したとされています。 その秘宝こそが、イエスの墓なのではないか、というのです。 そして最後に控しは、わが国青森県の戸...
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