思想・学問

スポンサーリンク
思想・学問

オイラー

最近、中高年の間で、数学がブームだそうです。 某数学者によると、登山ブームと関係がるのではないか、とのことでした。 登山は色々な難所を乗り越えて、苦しい思いをして、頂上にたどり着いた時の快感から病みつきになるのだとか。 数学も一緒で、頭をしぼって考えて、地道に証明を繰り返して、やっと難解な問題を解いたり、定理にたどりついたときの快感は、素晴らしいものだとか。 中でも人類の至宝と言われるオイラーの公式、オイラーの等式は難解でいながら辿り着く数式はシンプルで、多くのアマチュア数学ファンを虜にするそうです。  これがオイラーの公式だそうです。 バリバリの文系頭の私には、さっぱり意味がわかりません。 eiπ + 1 = 0 これがオイラーの等式だそうです。 随分シンプルですね。 「地球が静止する日」で人類よりはるかに進んだ文明を持つ星から来た男と、人類最高の数学者が黒板に向かって数式で会話するシーンは格好良かったですねぇ。 数学は言語の一種なんだなぁと実感しました。 「博士の愛した数式」では、寺尾聰演じる老数学者が、家の中にも黒板を置いて、始終数式で遊んでいたことを思い出します。 数学という言...
思想・学問

カニバリズム

パリ人肉食事件というショッキングな事件が30年も前にあったことを覚えている人は少なくなったのではないでしょうか。  佐川一政という日本人留学生が、パリでオランダ人の女子留学生を殺害して食ってしまった事件です。 彼は心神喪失で無罪になり、帰国後、著述業で身を立てています。 食ったがゆえに無罪になり、食ったがゆえにマスコミで泳ぎ続ける男。 処女作「霧の中」は事件のことをストレートに告白したもので、出版を意図していなかったせいか、迫力ある内容です。 しかしその後、今も食人願望に悩まされ、白人女ばかりの風俗に通っては殺して食いたい、という欲求を堪えているというような、事件を売りにするような駄文ばかりを物し、食いつないでおり、その内容も文章も、唾棄すべきものです。 事件への反省の弁は見られず、旨かっただの、またやりたいだのと書き散らし、それを掲載する雑誌もひどいものですが、被害者や遺族に対する侮辱を30年も繰り返すその神経はまったく理解不能です。 そうは言っても、フランスの最高裁判所が無罪とした以上、刑務所に入れることもできず、入院していた精神病院が治癒したと言って放り出したため、彼には完全に人...
思想・学問

人買い

日々の暮らしを振り返ると、人間の暮らしは奴隷のようだと感じることがあります。 少々体調が悪くても、朝から晩まで職場に拘束されますから。 でも本当の奴隷と違うのは、主は自分であること。 自分が生きるために、自分の意志で働いているのであって、雇用主を選ぶのは自分です。 子どもの頃、「ルーツ」というドラマを観ていました。 アフリカの黒人が奴隷商人に捕えられ、米国に連れて行かれて奴隷として働き、同じ黒人奴隷と結婚して子どもをもうけ、孫にも恵まれて人生を終える大河ドラマです。 最終回、スーツできめた黒人作家が出てきて、「これは自分の祖先の物語だ」、と語りだした時は異常な迫力に圧倒されました。 よく覚えているのは、主人公のクンタ・キンテが主に逆らった罰として、片足の足首を切られるか、陽物を切られるか、どっちか選べ、と言われて、彼は迷わず足首、と応え、男の私は、そりゃそうだよねぇ、と思ったことですねぇ。 宦官のようにはなりたくありません。 世界史の中でもアメリカの黒人奴隷売買はもっとも大規模でシステマティックなものだったようです。 西アフリカの有力な黒人部族がヨーロッパ人から買った鉄砲を武器にアフリ...
思想・学問

恐怖と生存

私は好んでホラー映画やサイコ・サスペンスなど、怖いお話に接します。 そして私は、たいへんな怖がりでもあります。 子どもの頃は、夜中一人でトイレに行かれませんでした。 怖がりだからこそ怖いお話が好きなんだと、ずっと思ってきました。 しかし、この世には恐怖を感じることができない奇病にかかる人がいるそうです。 ウルバッハ・ビーテ病というそうですが、脳で恐怖を司る扁桃体という部位が破壊され、通常だと恐怖を感じるべきところ、強い好奇心を持つそうです。 そのため、毒蛇だろうがライオンだろうが高い所だろうがまったくへっちゃら、というか喜んで近づいていくというから驚きです。 そして患者は、怖いお話を好む傾向があるとか。 もちろん、全然怖がらないわけですが。 この病気の患者は長生きするのが難しいそうです。 それはそうでしょう。 恐怖を感じて逃げるもしくは戦うべき場面で、恐怖の対象に好奇心を抱いてしまうわけですから。 命がいくつあっても足りないというものです。 そうかと思うと、ある女性患者はレイプされそうになった時、あまりに平然としているので犯人が意気消沈してしまい、助かったそうです。 恐怖を感じない以外...
思想・学問

陰翳

昨夜、リビングの照明が切れてしまいました。 エアコンに続いて、我が家の家電はリビングを狙い撃ちです。 寝室と書斎の照明は無事なので、とくだん問題はないのですが、家で過ごす時間の多くをまかなうリビングに照明がなく、エアコンもつかないのでは、電気を止められたわけもないのに、貧窮問答歌のような気分になります。 しかし、ものは考えよう。 幸い昨夜は涼しかったので、窓を開けて涼をとり、谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」を思い出しつつ、ロウソクの炎で、リビングを照らしました。 電灯が普及するまでは、日本国中、夜はほの暗かったのでしょうね。 ロウソクの灯りというのは、なんとなくロマンティックな感じがします。 薄暗いとよけいな物が見えないせいか、何もかもが美しく感じます。 そういえば、バーの照明が薄暗くしてあるのは、女性が美しく見えるようにするためだとか。 若く美しい女性と飲んでいても、毛穴まで見えてしまうような煌々たる灯りの下では、興ざめというもの。  薄暗ければ、少々ブサイクでも、皺やシミがあっても、気にならないというものです。 谷崎翁、女好きだけあって、年をくってもなかなか良いところに目をつけたものです。...
スポンサーリンク