思想・学問

スポンサーリンク
思想・学問

ふるさと

今日は本格的な真夏日。 日差しも強く、今夏初めて職場の冷房運転がなされました。 冷房とは夏の過ごし方を変えた偉大な発明ですね。 今夏は震災の影響で、各地の花火大会が中止されています。 私のふるさとで行われる江戸川区花火大会も中止です。 15年ほど前まではあまり知られておらす、のんびりとした雰囲気の中行われていた江戸川花火大会ですが、ここ数年は、見学場所と打ち上げ場所が近く、迫力があるということで、当日は都営新宿線篠崎駅周辺が、渋谷か池袋のような人ごみになります。 そうなってから、人ごみが苦手な私は江戸川花火大会に行くことをやめました。 ちなみに江戸川の対岸の市川市は、江戸川花火大会を勝手に鑑賞するどころか、市川市花火大会と呼ぶ無礼者です。 ふるさとは 遠きにありて思ふもの と詠んだのは室生犀星でしたか。 坂口安吾はふるさとの護国神社に、 ふるさとは 語ることなし という詩碑を残しました。 それぞれに短い言葉で、ふるさとを歌っています。 過酷な境遇であっても、幼い頃を過ごし、遊んだり学んだりした地には、愛着を持って当然でしょう。 例えば私は、何よりも誰よりも、私と、私にまつわるものを愛し...
思想・学問

日本の歴史や文化を研究するのが私の職場の使命で、常時何人もの外国人研究者が滞在しています。 その中で、スイス人の輪島塗研究者から、面白い話を聞きました。 私が、「欧米の方は家でも靴を履いているから、水虫が多いだろう」と意地悪な質問をしたところ、彼は猛然と反論しました。 玄関に靴を脱ぐスペースはないが、圧倒的多数の欧米人は家のなかで靴を脱いでいる、というのです。 そのほうが清潔だし、気持ち良いから、と。 ただ、靴を脱ぐ傾向は若者ほど多く、年配者には少ないとか。 もしかしたらわが国の影響かもしれませんね。 床に直座りすることも多いそうです。 家に友達が何人も来れば、全員ソファーには座れないから、と。 また、ちょうど日本で愛車を土足厳禁にするように、ドアの外に靴箱を置いて、家の中には靴を入れない、という徹底した者もいるそうです。 今度は、なんで欧米人は体を洗う浴槽のすぐ隣に便器を設置するのだ?と聞いてみたいと思います。 便所はご不浄とも言う汚い場所。 風呂は体を洗って気持ちも生き返る清浄な場所。 それがすぐ隣り合っているのはいかにも気分が悪いというものです。 第一、風呂に入っているときに、家...
思想・学問

太陽

わが国は太陽を模した国旗を持ち、極東に位置することから、日が昇る国とか太陽の帝国とか言われてきました。 また、日本神話の最高神は太陽の化身である天照大神です。  私はこれまで、日の丸は昇る朝日に違いあるまいと思ってきました。 しかし近頃、沈む夕日にも見えるのです。 戦後日の丸が最も燦然と輝いていたのは、高度成長からバブルまで。 それが過ぎたらすっかり夕日っぽくなってしまいました。 私は大坂万博の前年に生まれ、バブルの絶頂期は大学生で、つまり教育を受けている期間は概ね日本経済は順調でした。 その代りと言ってはなんですが、政治的には無益なイデオロギー争いが続き、世の中には日の丸が大嫌いと言ってはばからない評論家やジャーナリストが大勢いました。 多分日の丸の白い部分を赤く塗りつぶしたかったのだろうと思います。 その残滓は今にいたるも残っていて、大坂府で公立学校において日の丸の常時掲揚と君が代斉唱時の起立を義務付ける条例が制定されました。 そんな条例を作らなければならないなんて、まことに馬鹿馬鹿しく、悲しいことです。 朝はおはようと言わなければいけない、みたいな下らない条例ですが、それがなけれ...
思想・学問

仙人かモンスターか

組織というのは理不尽なものであり、努力をしたから高い報酬を得られるわけではなく、高い貢献をしたから出世するというものでもありません。 運と引き、最後に実力でしょうかねぇ。 最も私のように、精神障害で三度も長期休暇を取ったような者は、そもそもそういう世界にはおらず、戦力外なので、客観的に職場のドタバタを見ることができ、まことに面白いかぎりです。 言ってみれば、掃除のおばちゃんがそれなりの席に座っているようなものでしょうか。 家政婦は見た、ならず、精神障害者は見た、といったところでしょう。 以前、ドイツの社会学者が、努力-報酬不均衡モデルという理論を発表しました。 要するに努力の量や質が過大であるのに、報酬や人事評価などが低い場合、サラリーマンはストレスフルになる、ということを、膨大なデータをもとに実証してみせたわけです。 でも、そんなの当たり前ですよねぇ。 わざわざ証明しなくたってねぇ。 ヨーロッパ大陸の人々というのは、なんでも証明しないと気が済まないのですねぇ。 私が今在職している職場はそうでもありませんが、前に所属していた機関は、厭らしい出世争いが行われていました。 運と引きと実力の...
思想・学問

ホルミシス効果

最近、ホルミシス効果という言葉を知りました。 それを知って不思議なような当たり前のような。 ホルミシス効果( hormesis)は、生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用をいい、特に自然放射線の人体への健康効果を指します。 これが大雑把な定義です。 要するに、放射能でも、微量であれば人体に害を及ぼさないばかりか、体に良い効果がある、ということらしいです。 アルコールなんかも、昔から酒は百薬の長などと言われ、少量であればかえって健康を促進することは広く知られています。 また、いわゆるワクチンと呼ばれる薬も、毒をもって毒を制すの類で、わざわざ体に有害な物質を注射することで、その有害物が大量に体内に入ってきた時に体を守ろうという発想です。 面白いのは、広島・長崎での被爆者のその後の健康調査です。 被爆時、20ミリシーベルト程度であった人は、被爆していない人よりも癌の発生率が著しく低く、長寿だというのです。 ホルミシス効果は抗癌作用が高いことが最も良く知られており、原爆といえども例外ではなかったのですね。 私の母親は長崎で4歳の時被爆していますが、...
スポンサーリンク