思想・学問

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ボトム・アップ

ノモンハン事件の後、ソヴィエト軍の将校が日本軍を評し、最高の下士官兵、まともな将校、無能な指揮官で編成されている、と言ったそうです。 それは現在の組織にも通じていて、例えば東京電力のテレビに出てくる偉い人は阿呆にしか見えないのに、福島の現場で働く作業員には頭が下がるようなものです。 日本の組織は一般にボトム・アップによって意思形成をしており、一番下っ端の係員が原案を作り、主任、係長、課長補佐、課長、部長、局長と、修正を行いながら成案を作り上げていきます。 もちろん、極めて重要な事項については偉い人が集まる会議で意思決定がなされますが、その会議の資料を作り、シナリオを書いているのが、係長以下の下っ端だったりします。 そうすると、当然責任は決裁権者である部長だか社長だかにあるのですが、なんとなく、原案を作った係員や、細かくチェックした主任に実質的な責任があるかのような錯覚に陥りがちです。 現実に、会議やプレゼンテーションなどで、最初社長があいさつして、細かいことは主任に説明させます、なんて言って引っこんでしまう光景はよく見かけます。 ボトム・アップは平時においてはうまく機能します。 下々に...
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ウィルス作成罪

このたび、刑法を改正して、ウィルス作成罪というのが新設されたそうです。 有罪になった場合、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金だそうです。 今までは他人のパソコンをウィルスで破壊したということで、器物損壊罪などが適用されてきたそうですが、それでは被害が出るまで取り締まることができません。 ウィルスを作ることそのものが罪なら、広く捜査できるでしょう。 言ってみれば爆弾を作るのが犯罪であるようなもの。 今までウィルス作成を野放しにしてきたことのほうが不思議です。 しかし懲役3年て、軽いですね。 ちょっとコンピュータに強い若者が悪戯でウィルスを流した、という程度ならそれでもいいかもしれませんが、政府機関や大銀行、電力会社やガス会社、水道局などのインフラ関係に、大規模なサイバーテロを仕掛けた場合、それは国家転覆にもつながる重罪なので、ウィルス作成罪とは別の法律を使う必要がありましょう。 多分威力業務妨害罪ということになるんでしょうけど、これもちょっとイメージが違いますね。 ウィルス作成罪と並んで、サイバーテロ防止法とでもいうようなものが必要な気がします。 日本はこれでサイバー犯罪条約締結を...
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闇に住む

普通のサラリーマンは、夜が明ければ起きて、8時か9時には職場に行き、残業がなければ17時か18時には家路につきます。 帰れば風呂に入って飯を食い、しばしの自由時間を過ごして早めに床に就きます。 明るい時間に主に活動しているわけです。 一方、水商売と言われる職業に従事する人々は、サラリーマンが仕事を終える頃店を開け、主に飲食や接待をして金を稼ぎ、深夜から明け方、仕事を終えます。 主に暗い時間帯に活動しているわけです。 しかし、彼らは闇に住んでいるわけではありません。 人工的な光で、昼間よりも明るいぐらいの空間を作り出し、祝祭的な場を演出しています。 今、闇を利用して生きている人々とは、ホームレスと言われる者たちでしょう。 今、行政はホームレスが駅の地下道や公園、河川敷に住むことを許しません。 環境美化の美名のもと、彼らを追い出し、代わりに一時的な入所施設を用意します。 しかし入所施設は規則が厳しく、また、就職活動をしないと追い出されてしまうので、多くのホームレスは入所施設に入ることを拒んでしまいます。 すると彼らは、昼間は公園などで休み、夜、闇に乗じて空き缶拾いや小銭拾いに出かけます。 ...
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日本国民総貧乏化

近頃、貧困ビジネスとか言って、生活保護から金をかすめ取るせこい窃盗が後を絶たないとか。 それは犯罪ですから取り締まりを強化するにして、生活保護の増大がリーマンショック以降急激であるのは間違いないようです。 とくに大阪市では、18人に1人が生活保護受給者で、年間2,916億円も計上しているそうです。 他の地域と比較するとその差は歴然で、日本全体の平均は1.57%なのに対し、大阪市では5.63%も受給しているそうです。 なぜ大坂市はこれだけ突出しているのか、あいりん地区など抱えているせいか、あるいは生活保護の申請に抵抗を感じない人が多いのか、よくわかりません。 大坂市は、生活保護特別区なる特区を設けてほしい、と国に要請しているそうです。 生活保護は、憲法で規定する文化的で健康的な最低限度の生活を担保する最後の砦。 これが崩壊する前に、少子高齢化に伴う労働力不足や、景気の安定を図らなければなりません。 それに加えて震災復興や原発事故対応でも金がかかります。 つい四半世紀前、世界は、YENが世界中の不動産を買いあさり、史上初めて、金の力でできた世界帝国を眼前にするのではないか、という恐怖におび...
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反物質(アンチ・マター)

子どもの頃、物質は全て電子・陽子・中性子の組み合わせで出来ていると教わりました。 そして、それらと逆の負荷を持った反電子・反陽子・反中性子、総称して反物質が存在する可能性がある、とも。 これら反物質を人工的に作り出すことができ、現に作ったこともあるが、物質と反物質は同時に存在することができず、両者が接触すると両者とも消滅してエネルギーに変化し、ガンマ線になって飛び散ってしまうので、作っても貯蔵が極めて難しいと言われていました。 ところが先日のニュースで、欧州原子核研究機構(CERN)は、これまで1秒も保持することのできなかった反水素原子を1000秒も保持することに成功したと発表しました。 反物質は宇宙誕生時、物質と同程度存在したと考えられていますが、現在ではほとんど存在していないことになっています。 なんで消滅してしまったのか謎で、このたびの実験成功により、水素原子と反水素原子を比較することでその謎が解明されるのではないか、と期待されているそうです。 また、反物質を大量に長時間貯蔵できれば、物質と接触させることによって莫大なエネルギーが得られるため、宇宙開発など莫大なエネルギーを必要と...
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