
ボトム・アップ
ノモンハン事件の後、ソヴィエト軍の将校が日本軍を評し、最高の下士官兵、まともな将校、無能な指揮官で編成されている、と言ったそうです。 それは現在の組織にも通じていて、例えば東京電力のテレビに出てくる偉い人は阿呆にしか見えないのに、福島の現場で働く作業員には頭が下がるようなものです。 日本の組織は一般にボトム・アップによって意思形成をしており、一番下っ端の係員が原案を作り、主任、係長、課長補佐、課長、部長、局長と、修正を行いながら成案を作り上げていきます。 もちろん、極めて重要な事項については偉い人が集まる会議で意思決定がなされますが、その会議の資料を作り、シナリオを書いているのが、係長以下の下っ端だったりします。 そうすると、当然責任は決裁権者である部長だか社長だかにあるのですが、なんとなく、原案を作った係員や、細かくチェックした主任に実質的な責任があるかのような錯覚に陥りがちです。 現実に、会議やプレゼンテーションなどで、最初社長があいさつして、細かいことは主任に説明させます、なんて言って引っこんでしまう光景はよく見かけます。 ボトム・アップは平時においてはうまく機能します。 下々に...