思想・学問

スポンサーリンク
思想・学問

第四帝国

ナチの第三帝国が滅んだあと、奇妙な噂が世界をめぐりましたね。 第四帝国です。 ヒトラーの遺体は見つかっておらず、その生死もわかりません。 その上、戸籍上存在するはずの25万人のドイツ人が、戦後、忽然と消えました。 不思議な出来事です。 この不思議な出来事をもって、さらに奇怪な噂話が生まれました。 総統は総統官邸の地下壕を逃げだして、ナチに親和的な南米の国に逃れ、さらに南極にいたり、南極に第四帝国を建設中だというのです。 第四帝国は独自に科学技術を進歩させ、UFOを飛ばして 世界を監視し、総統もしくは総統の後継者が世界に号令をかけるのを待っているのだとか。 ほら話としては、とても面白い話です。 第三帝国で千年王国を夢見たナチの信奉者からしたら、飛びつきたくなるような話でしょう。 しかし、南極に25万人を超える人口を抱えた都市などありません。 ヒトラーの生死が不明とはいいますが、常識的に考えて、生きているはずもありません。 それでも一度はおのれが信じたナチズムが今も営々と生き続けていると考えることは、ナチの老戦士にとって、心躍ることなのでしょう。 人間は夢をみたいもの。 それがどんなにはか...
思想・学問

通訳

明治初期の英語通訳というと、なんとなく西洋かぶれしたイメージがありますね。 しかし、ある日本人の青年通訳は、英語を習得しながらもキリスト教をはじめとする西洋文化に馴染もうとせず、英国婦人を相手に「東洋思想に比べれば西洋思想など2,3日前に生まれた赤子のようなものだ」、と傲慢に言い放ちます。 その通訳は明治初期に東京を出発して北海道まで旅したイザベラ・バードの従者でした。 イザベラ・バードは従者の非礼を責めましたが、従者は「今後気を付けます。しかし私は牧師の礼儀作法を真似したにすぎません」と言って恥じなかったと言います。 下関事件の講和会議時の高杉晋作は、英国公使パークスの通訳、アーネスト・サトウから「魔王の如く傲然として見えた」と評されています。 負けた側なのに。 明治初期の日本人は傲慢なほどに堂々としていたんですねぇ。 江戸末期の侍の写真なんか、判で押したように険しい顔をしています。 一方、明治10年に両国花火大会に屋形船で繰り出した大森貝塚発見者のモースは、西洋だったら怒声が飛び交うような混雑のなか、「アリガトウ」と「ゴメンナサイ」しか聞こえず、みな笑顔だったことに驚き、日本人が西...
思想・学問

アカシック・レコード

世に、アカシック・レコードなるものの存在を主張する人がいます。 つまり、この世のありとあらゆるものが予めシナリオのように記録されており、それがアカシック・レコードだというのです。 エドガー・ケイシ―などの霊能者が、このアカシック・レコードにアクセスし、記録の一部を読みとったと主張しています。 元は、神智学協会のマダム・ブラヴァッキーや、後に神智学協会を離れて人智学協会を設立したルドルフ・シュタイナーなどが、この世の出来事は記録されている、つまり過去の出来事がアカシック・レコードによってありありと眼前に見ることができる、と主張したもので、未来のことにまでは言及していません。 シュタイナーは「アカシャ年代記より」で、驚くべき知見を表明しています。 例えば、当時月は宇宙の塵が集まってできた、と考えられていましたが、シュタイナーは地球の一部が欠けて飛び出て月ができた、と示しました。 そして現在、地球に巨大隕石が衝突して地球の一部が飛び出して月ができたという考えが、天文学者の間では有力になっています。 しかし問題は、アカシック・レコードにアクセスできる、と称して詐欺まがいの商売をしている人が存在...
思想・学問

FGM(Female Genital Mutilation)

FGM(女性器切除または女子割礼)という習慣がアフリカにあることは知っていましたが、現代のアフリカ諸国はもちろん、欧米に移住したアフリカ系の人々の間でも行われていると知り、驚きました。 しかも平均して毎日約5,500人の幼女や少女に施術されているとか。 欧米はこれを女性差別として非難、アフリカ諸国は当初文化儀式であり習慣の違いとして取り上げませんでしたが、近年、差別撤廃の観点から法律で禁止するようになってきたそうです。 しかし実態は、以前と変わらず行われているとか。 具体的には、クリトリスのみを切除するタイプ、クリトリスと小陰唇を切除するタイプ、さらにはクリトリスと小陰唇を切除のうえ、排尿用のわずかな隙間を残して膣を縫合してしまうタイプがあるそうです。 これには、結婚まで処女を保つためとか、女性の性感を弱めて不義密通を防止するとか、そもそも女性器は悪の象徴と信じられているためとか、いろいろな理由が複雑にからんでいるそうです。 膣を縫合してしまうタイプでは、新婚初夜、夫が無理やりにこれを裂き、ことに及ぶため、新婦は激痛に苦しむか、逃げ帰るしかないそうです。 しかし無事に済ませられなかった...
思想・学問

恋の矢

恋の矢といえばキューピット。 えいっと放って見事当たればカップル成立。 でも世の中そんなにうまくはいきません。 恋の矢を持つ虫がいるそうです。 ナメクジです。 ナメクジは交尾の際、相手に恋矢(れんし)を突き刺して毒を放ち、精子を守るのだとか。 ナメクジは雌雄同一のため、お互いの精子をお互いの卵巣に注入するそうですが、妊娠はリスクが高いのでなるべく自分は妊娠したくないために受け入れた精子を殺そうとし、でも相手には妊娠させたいので精子を殺す成分を恋矢から放つ毒で消そうとするそうです。 こうなると、ナメクジの交尾は愛の行為というより果たし合いみたいなもんですねぇ。 妊娠したら負けよ、あっぷっぷ。 恋矢(れんし)なんてロマンティックな名前を付けてはいますが、それはおのれの精子を守るため、相手に放つ毒矢。 互いに毒矢を隠し持ち、それを相手に向けながら交尾に励むとは、さぞかしスリリングな行為であることでしょう。 でも、人間の男と女も似たようなものかもしれません。 色と欲にまみれ、しかもその欲は性欲に留まらず、金銭欲だったり名誉欲だったり、出世欲がからんでいたりします。 お金持ちの上流階級であればこ...
スポンサーリンク