思想・学問

スポンサーリンク
思想・学問

地球外生命体

昨日の新聞に、米国の宇宙生物学者が、隕石の中から藻に似た生物の化石と推測される成分を確認した、と掲載されていました。 宇宙生物学者は論文に広く意見を求める、とのコメントをつけ、これが直ちに地球外生命体の存在を証明したことにはならない、という慎重な態度をとっています。 隕石や彗星によって原始的な生物が地球に運ばれてきたと想像することは、とても楽しいですね。 私が思うのは、自然科学という学問の厳しさです。 実験し実証し、データを蓄積していかなくてはなりません。 気の遠くなるような作業を日々繰り返すわけで、その真面目さには頭が下がります。 一方人文系は、口八丁手八丁みたいなところがあって、結論ありきでデータを恣意的に集めたりしますね。 もう十年も前になりますか、ゴッドハンドと言われていた発掘の達人が、じつは自分で埋めて自分で掘るという自作自演を繰り返していたことが判明し、考古学界に激震が走りました。こういうことは自然科学ではあり得ないんでしょうね。 地球外生命体と言いますが、生命の定義は厳格ではなく、地球などの星そのものが生命体だと考えられるならば、私たちは毎晩空を見上げれば無数の地球外生命...
思想・学問

50センチ

上海の某中高一貫の共学校で、珍妙な校則が制定されたそうです。 すなわち、男女が50センチ以内に近づいてはならない、だとか。 わが国でも男女七歳にして席を同じゅうせず、という「礼記」の教えが尊ばれたことはありますが、50センチ以内はダメって、先生はいつも50センチの定規を持ち歩いているのでしょうか。  野暮ですねぇ。  「好色一代男」の主人公、世之介は7歳で初体験を済ませ、生涯で3,000人以上の女性、700人以上の少年と褥を共にしたというのに。  だいたい本当に付き合っている場合、えてして学校では素っ気なくふるまって、学校外で0センチ以下に近づいたりするものです。 校則というからには、誰かが発案して、会議にかけて、印刷して周知したんでしょうねぇ。 途中で誰かこれはおかしな校則だ、と言う先生なり事務員なりはいなかったんでしょうかねぇ。 そういえば私が通っていた高校は男女比5:5の共学校でしたが、不純異性交遊は禁止という校則がありました。 しかし手をつないでもダメということはなかったですね。 数年に一人くらい妊娠して退学する女生徒が出るらしい、とは聞きましたが、私が在学中には出ませんでした...
思想・学問

孤独死

最近大マスコミで無縁社会やら孤独死やらを多く取り上げますね。 無縁社会はプライヴァシーの重視や個人の尊重などの新しい価値観がもたらしたもので、それ自体は悪いことではありません。 また、無縁というのは個々人の感じ方の違いで、同じ境遇にあっても平気な人もいれば無縁だ、と言って苦しむ人もいます。 客観的な無縁社会なんてありえません。 君子の交わりは淡きこと水の如し と、「荘子」にあります。  また、  犀の角のようにただ独り歩め と、「スッタニパーダ(原始仏典)」にあります。 人は人との交わりを減らして、己一人の内奥を探索すべきだということでしょう。 孤独は求めるもの、怖れるものではありません。 また、孤独死といいますが、孤独でない死というのはあるんでしょうか。 おそらく死に至る一定の期間孤独に苦しんだ、ということで、死そのものは孤独でしかありえないものです。 死の床に百人もの家族・親族・友人・知人が集ったところで、死が持つ本来的な孤独は解消しえないでしょう。 むしろ、こいつらは元気なのに俺だけ死ぬとはなんと孤独なことだ、と孤独感を深めるかもしれません。 死が孤独で怖ろしいものであることが自...
思想・学問

ビンボーハッピー

近頃ビンボーハッピーなる言葉があるそうですね。  着るものはユニクロやしまむらなどの安いファストファッション。 You Tubeなどの無料のパソコンのコンテンツで暇つぶしをし、現実の恋愛は金もかかるし気苦労も多いので恋愛物のテレビゲームで代用し、金のかかる飲み会やコンパには行かずにSNSなどのソーシャルメディアで会話を楽しむ。 ルームシェアをして家賃を浮かせ、共同購入で単価を下げる。  生まれながらにしてパソコンが普及しており、ソーシャルメディアの発達とともに成長した若者たちが、金はなくても人生を楽しむ術を生み出しているようです。 そういえば一昔前は恋人探しのテレビ番組が流行りました。 「ラブ・アタック」だとか「ねるとん紅鯨団」とか「あいのり」だとか。 その頃は恋人がいないことが悪であるかのような奇妙な風潮があって、せっせとデートに励んだものでした。 ところが今、若い未婚女性の60%が恋愛に興味はない、と答えているとか。 また、大学生が休日に何をして過ごすかを問うたところ、デートと答えたのは20%を切っていたそうです。 貧乏でも幸せなのは素晴らしいことで、ある種悟りにも似た心境かと想像...
思想・学問

祝日

今日は建国記念日ですね。 米国のような歴史の浅い国においてはいつ独立が宣言されたか明確なので、建国記念日というのは異論の余地のないところです。 しかしわが国において、なぜ今日が建国記念日なのかといえば、「日本書紀」にみられる初代天皇の神武天皇が即位された日を、太陽暦に換算すると、このあたりらしい、ということが根拠になっているようです。 実際のところはその日をもって日本国が成立したわけもなく、もっとゆるやかに、長い時間をかけて国が成立していったものと推測されます。 それをもって建国記念日を否定しようという論もみかけます。 しかし、クリスマスやハロウィンがそうであるように、根拠の薄弱な記念日というのは洋の東西を問わずあまたあり、薄弱だから否定しようというのはいかにも野暮な話です。 一種の共同幻想みたいなものですが、それを尊重するのが共同体を維持する装置にもなっています。 その日に建国された、と考えるのではなく、広い意味でわが国の成り立ちを考える日、と考えればよいのではないでしょうか。日本書紀〈1〉 (岩波文庫)坂本 太郎岩波書店日本書紀〈2〉 (岩波文庫)坂本 太郎,井上 光貞,家永 三郎...
スポンサーリンク