思想・学問

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ネズミ駆除業者

硫黄島に上陸した米兵の多くが、ヘルメットにネズミ駆除業者と書いていたことを知りました。 「容赦なき戦争ー太平洋戦争における人種差別ー」において。  先の大戦では、日本人は敵を鬼畜米英と呼び、米国人は日本人を、ジャップだけではなく、猿とも太平洋の狂犬ともアリとも言いました。 で、硫黄島ではネズミだったというわけです。 日本が完全勝利の見込みなどないままに戦争に突入したのに比べ、米国は負けるはずがないという自信を持っていました。 しかし緒戦、日本軍が快進撃を続けたことから、米国は自国民と自国の兵隊に恐るべきプロパガンダを行いました。 日本人の絶滅です。 人間ではない、下等な生き物で、しかも害獣だから、根絶やしにしなければならないんだそうです。 さらに、日本人は死ぬことを誇りにしているから、お望みどおり殺してやろうというわけです。  終戦直前、アメリカで行われた世論調査では、戦後処理として、日本人全員の殺害を望んだ者が13%、国家の壊滅を望んだ者が33%だったそうです。 半数ちかくの米国人が、戦後、日本には死んだままでいてほしかったようです。  その頃米国で流行ったジョークに、「良い日本人を...
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永田洋子

連合赤軍の永田洋子死刑囚が病死したそうですね。 16人もの仲間をリンチで殺害し、1972年に逮捕され、1993年には死刑が確定した同死刑囚。 ここ数年は脳腫瘍により寝たきりだったとか。 あさま山荘事件直後には連合赤軍に同情的だった世論は、リンチ殺人が発覚するに及んで、非難の嵐になりました。 事実上、あの事件で暴力による共産革命を目指す過激派はとどめを刺されました。  私は永田死刑囚の「16の墓標」や元夫で、連合赤軍元幹部の坂口弘死刑囚の「あさま山荘1972」を読みましたが、理解不能な理由でリンチを行っています。 マニキュアをしていたから、とか、寒いと言いながらコタツに入ったから、とかどうでもいい理由です。 雪の中全裸で木に縛り付けたり、よってたかって殴り付けたり。 20数名の同志の大半をリンチ殺人で亡くしてしまいました。 スターリンやポル・ポトや金日成など、共産党の指導者は必ずと言っていいほど仲間を粛清しますね。 日本共産党は現代日本に存在しながら、党首選挙は行われず、不透明な過程を経て党首になり、長期間党首を務めます。 そして日本共産党を離れた人は、ほとんどがマスコミ通じて日本共産党...
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断絶

少子高齢化が進む現代日本において、年金・医療などの福祉政策に強い関心が集まっていますね。 逃げ切れる世代である現代の高齢者は少しでも豊かになりたいし、逃げ切ることが難しい中年世代はせめて今と同じ程度の年金がほしいと考え、若者は遠い将来のことに希望を見出せないでいます。 最近の近現代史の研究の流行に、福祉国家の源流は太平洋戦争中の厚生行政にあった、と見る見方があるようです。 私たちは小中学校の歴史の授業で、8月15日を境に大日本帝国は崩壊し、民主主義と平和を掲げる日本国が生まれ、両者の間には深い溝があるかのように教わりました。 しかし、そんなことがあるはずもありません。 昨日まで鬼畜米英だとか天皇陛下万歳とか言っていた日本人が、たかが戦に敗れた程度のことで、がらりと違う人間に変身するなんて、あり得ないことです。 東條内閣の商工大臣だった岸信介氏は、戦後、総理大臣として強いリーダーシップを発揮しました。 岸元総理の考える日本社会のあるべき姿は、東條内閣の閣僚であったときも、自ら内閣を組織したときも、それほど変化はしていなかったでしょう。 さて、そこで、なぜ総力戦の間只中に、帝国政府は厚生省...
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農業と鍛錬

日々の新聞で、文化という文字を目にしない日はありませんね。 日ごろ何気なく使っている文化という言葉。 でも実際のところ、文化という言葉の定義は曖昧で、使われ方も曖昧です。 例えば日本文化とかアイヌ文化と言えば、民族や地域の特性を表わしますし、平安文化とか室町文化といえば、特定の時代の文化を表わすでしょう。 ほかにもヲタク文化とか、ポップ・カルチャーとか、様々な場面で使われる文化。  元の意味はなんだべな、と思って辞書をひくと、ラテン語で農業・牧畜と精神や肉体の鍛錬を意味する言葉だったそうです。 それがフランス語に伝わり、英語に伝わり、やっと18世紀になって現在のような意味で用いられるようになり、明治の日本でcultureの訳語として文化なる言葉が使われ出したとか。 農業・牧畜と精神的・肉体的鍛錬。 今使っている文化という語感からはほど遠いものですね。 今、文化というと、狭義には学問・芸術などの精神活動、広義には人間の生活様式や風俗・習慣、といったところでしょうか。 どちらにしても、生活必需品ではなく、遊びの要素が濃い印象を受けます。 しかし元々は農業や牧畜といった、最も必要な、食うため...
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着衣と羞恥

寒さ厳しい折、朝夕の通勤電車で見かける女子高生のミニスカートはなんとも痛々しいですね。 零下に近い気温なのに腿をにょっきりだしちゃって。 最近ちらほら黒いストッキングを履いて、さらに黒いレッグウォーマーをしている女子高生を見かけるようになり、なんだかほっとします。 私は毎日秘かに起毛した股引を履いていますから。 いざという時困るんじゃ、とお思いでしょうが、いざという時なんて、もうないのですよ。 一昔前、着エロという表現をよく耳にしました。 要するに全裸よりも水着姿や下着姿に性的興奮を覚える人々や媒体を差す言葉のようです。 人間が衣服を身にまとうのは、防寒の他に、羞恥心のためや、社会的秩序を維持するため、という目的があるようです。 ただ、時と場所によって、全裸でも半裸でも羞恥心を感じず、また社会秩序を破壊しない、とされることがあります。 代表的なのは温泉や海水浴場ですね。 それと医療行為のためである場合。  面白いのはほぼ全裸に近い格好で暮らしている部族です。 彼らには独特の羞恥心があって、ある部族は下半身丸出しでも平気なのに、帽子をかぶっていない姿を見られると非常な羞恥を感じるそうです...
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