
二卿事件
「龍馬伝」やら「坂の上の雲」やら、最近幕末から明治にかけてのドラマがよく放送されます。 やることなすことうまく行ったあの時代を懐かしんでいるかのようです。 しかし一歩間違えれば列強の食い物にされ、植民地としてばらばらに統治されていたかもしれません。 細い綱を渡るように、慎重に前に進んだことでしょう。 私が子どもの頃から不思議に思っていたことがあります。 京都に東を付けると東京都。 本家が京都なのは論を待たないところです。 しかも平城遷都や平安遷都と異なり、江戸に都を移し、東京と名称変更する、という宣旨なり法律なりがないのですよね。 明治元年に明治大帝が東京に行幸され、一度京に還幸された後、翌明治2年にふたたび東京に行幸、それ以来、京へ行くのは還幸ではなく、行幸と呼ぶようになりました。 京都御所はうっちゃって、江戸城跡を皇居にして、各種省庁、国会、軍司令部などを東京に固めて、いつの間にやら東京が首都になっちゃった、という状況が、今日にいたるも続いています。 しかも和歌を詠んだり蹴鞠をしたり、寺を作ったり、といった日本文化の中心であった天皇が、東京移住とともに大元帥陛下におなりあそばし、...