思想・学問

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基本的人権

私は以前から、憲法改正について、ある疑問を抱いてきました。 憲法を改正するには国会で3分の2以上多数を得て発議し、国民投票で過半数を得なければならない、ということが書いてありますが、新憲法は天皇が公布する、という条文を問題視する意見を聞いたことがありません。 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。 憲法96条2項です。 そうすると、天皇制を廃止する、もしくは天皇は国事行為を行わない、とする改正は不可能だということでしょうか。 理屈で考えると、まず、改正した憲法は内閣総理大臣が公布する、と改正して天皇が公布し、しかる後、天皇制を廃止すると改正した新々憲法を内閣総理大臣が公布する、ということになるんでしょうか。 二度手間ですね。 なんだかややこしい話です。 私は、天皇に基本的人権を付与する憲法改正を行わなければならない、と考えています。 選挙権や被選挙権、職業選択の自由、言論の自由、移動の自由などを国民と同様に与えるのです。  国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵...
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宇宙人

英国の理論物理学者のホーキング博士が車いすで窮屈そうに、しかし雄弁に宇宙を語る姿は、誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。 博士が面白いことを言っています。 宇宙人と接触してはいけない、と。 コロンブスがアメリカ大陸に上陸したことで、先住民の多くが未知のウィルスなどに感染し、死亡したことを引き合いにだし、未知の地球外生命体が人類及び地球上のあらゆる生き物にどういう害を与えるか不明だから、だそうです。  ここで面白いと思ったのは、ホーキング博士は地球外知的生命体の存在を自明のこととして話し、その存在の有無を論ずること自体がナンセンスだ、という態度を見せたことです。 しかし考えてみれば、地球にこれだけの数の生物が存在していることから類推して、知的生命体が他のどの星にも存在しないと考えるほうが無理があります。 大体私たち地球人自身が、異星人から見れば宇宙人なわけですし。 NHKの番組である地質学者が、地球と同じ銀河系に知的生命体が存在する星は4~140個程度、と解説していて、驚きました。 ずいぶんはっきりした数字です。 人類も地球そのものも、やがては死に絶えるわけですから、人類に与...
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開化先生

近頃怪談話がすっかり廃れてしまいました。幽霊なんていない、神経病だというわけで。そこでこのたび怪談話をしてみようというのは、かえって耳新しいかと存じまして。開化先生方はお嫌いでしょうから、お帰りいただいて。 明治初期、三遊亭圓朝師匠が「真景累ケ淵」を演ずるにあたっての枕で話した言葉です。 文明開化によって妖怪怪異は勢いを失うわけですが、それはすぐに盛り返し、今にいたるも大繁盛しています。 明治時代には大本教や金光教が多いに流行り、千里眼やらこっくりさんやらも大流行しました。 私たちは太古の昔から、妖怪や幽霊と付き合いながら、共存してきました。 それがざんばら髪で洋装になったからといって、長々お住まいの妖怪や神々が消えるわけもありません。  口裂け女に、テケテケに、トイレの花子さんに、ひきこさん。 異界の者は様々な形をとって人間とコンタクトをとります。 これら異界の者は、実在しているわけではないでしょう。 しかし一瞬ごとに滅んではまた生まれ、を繰り返すのがこの世の本態で、その刹那滅を連続する時空間だと錯覚しているに過ぎないと知れば、異界の者の存在を前提に生きてきた私たち人間にとって、それ...
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ハロウィン

先日某デパートに行って、驚いたことがあります。 ある売り場に、山のようにハロウィン関連商品が並べてあったのです。 いつの間にハロウィンは日本でこんなにひろまったのじゃ?、と不思議に思いました。 私のおぼろな記憶では、たしか元々はケルト民族のお祭りで、収穫を祝い魔除けをする主旨で、キリスト教受容の際にこれをキリスト教と結び付けて祝うようになったもので、キリスト教国であっても、英米以外ではあまり行われない、というようなものだったと思います。 私が初めてハロウィンという行事を知ったのは小学校5年生のとき、「ハロウィン」というホラー映画が公開されたことがきっかけだったように思います。 この映画は「13日の金曜日」シリーズのジェイソン、「エルム街の悪夢」シリーズのフレディ・クルーガー等に先駆けて、ブギーマンというダーク・ヒーローを生み出したことで知られ、好事家の間ではカルト的な人気を博しています。 もちろん、私もファンです。 シリーズはパート8まで製作され、2007年には新たにリメイク版が公開され、新シリーズは第2作まで作られています。 それはさておき。 私は、多分1980年代に入って日本でも少...
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ドイツ刑法175条とソドミー法

キリスト教国家の多くで、かつて同性愛を神の教えに背くものとして、罰していました。 なかでも苛烈を極めたのは、ナチス政権下のドイツでしょう。 ドイツ刑法175条は、以下のように定めています。男子間又は人獣間に於てなしたる天理に背く猥褻の行為にありては禁錮を以て処刑せらるるものとす。其他公権剥奪を言渡さるることあり。 ワイマール憲法下のドイツではこの法律はほとんど無視され、男性も女性も同性愛者は堂々と暮らしていました。 しかしナチが政権を握ると、社会に害を与えるとして、男性同愛者を収容所に強制連行し、虐殺したり、強制的に去勢したりしました。 女性同性愛者は矯正可能とみなされ、矯正措置=強姦が行われ、妊娠・出産を求められました。 この悪法が廃止されたのは東西ドイツ統一後、1994年だったというから驚きです。 米国に至っては、2003年に連邦最高裁判所で違憲判決が出るまで、ソドミー法という肛門を使った性交を犯罪とする法律が多くの州で施行されていました。 要するに男女間であっても肛門では生殖行為にならず、神の教えに反するということのようです。 それなら自慰行為に耽ったり、オーラルセックスを楽しん...
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