思想・学問

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熊襲退治からAKB48へ

最近AKB48という少女アイドルグループがたいへんな人気を博していますね。グループのアイドル集団というのは今までもいましたが、100人を超えるというのはちょっと異常です。しかも選挙と称して組織内の序列を作っているとか。 秋元康はおニャン子クラブで妻を見つけましたが、今度は愛人でも探しているのでしょうか。 古来わが国では、少女アイドルに熱狂する青少年、というパターンがありました。 最近ではモーニング娘。、ちょっと前ではおニャン子クラブ、その他少女アイドルを数え上げたらきりがありません。とても美少女とは思えない女子プロレスラーのアイドルユニットというのもありました。 十年ほど前からは、サラリーマンのはずのアナウンサーまでがアイドル扱いされたり、アマチュアスポーツの選手が脚光を浴びたり、若くて見た目が良ければなんでも良いようです。 明治後期から大正にかけては、娘義太夫というのが流行り、寄席に書生が大挙しておしよせ、義太夫が佳境に入ると「どうする、どうする」と掛け声をかけたことから、どうする連と呼ばれたそうです。 キャンディーズのファンクラブも全キャン連と呼ばれていましたね。 さらに古くは、平...
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思想

昨日、父が昭和30年代から40年代にかけて、「思想」誌上での進歩派の論考を興味深く読んだことと、今はそういう思想はどう解釈されているんだろう、という疑問を聞きました。 私は思想的なことは疎いのですが、進歩派全盛のときに保守派として進歩派の平和論を批判した福田恒存の著作はいくつか読んだことがあります。  昭和50年代後半、日本の保守化が進み、進歩派が勢いを失っていったころ、ある雑誌記者が、福田恒存の正しさが証明された、というようなヨイショをしたそうです。 すると、彼は、自分の論が正しかったから日本人が保守化したのではない、ソ連が怖いから保守化したのだ、大量兵器が怖いからという理由で思想が変わること自体、思想というものの危うさをしめしているのだ、というようなことを答えたと言います。 リアリストというか、物事をいつも冷めた目で見るのですね。 三島由紀夫の死後、三島の右傾化については、三島は常に芸術家として行動した、三島にはなんの思想性もない、という意味のことを言っています。 そういう意味では、私には思想性というものはありません。芸術性すらないかもしれません。 私にあるのは、この世ならぬものへ...
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難しい

某団体から、高額の図書が送られてきました。振込用紙と一緒に。団体は、アイヌを騙っていますが、その図書の値段、いきなり送りつけてくる手口、似非アイヌとみえます。 以前、同和の団体からも、そういうことがありました。  毅然として送り返すしかありません。  必要ないものは、要らないし、買わない。   かつて被差別部落というものが存在し、多くの人が差別に苦しんだことは歴史的事実です。しかしそれを悪用して一儲けしようというのは、ホームレスにアパートをあてがって生活保護を受給させ、そのほとんどをピンハネしてしまうのにも似ています。  本当に差別に苦しみ、それをなくそうとしている団体か、金儲けをしようとしている団体かを見分けるのは、不当に高い金額を要求してくるかどうか、くらいしか方法がありません。   いわゆる差別語とかあって、現代最大のタブーになっていますね。    江戸時代には、弾左衛門を名乗る一族が、代々、被差別民を支配してきました。当然、弾左衛門も身分的には被差別民です。しかし被差別民が独占していた皮革産業や歌舞伎などの興行を一手に引き受け、江戸下町に広大な屋敷を構え、格式一万石、石高五万石...
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都市の呪術

昨日、「呪術意識と現代社会」という呪術に関する社会分析を試みた本に目を通しました。 驚いたのは、膨大なアンケート結果から、農村部や地方都市部よりも、東京23区民のほうが、明らかにオカルト的なものや呪術的なものに捉われている、ということが判明したそうです。 しかも面白いことに、下町の町工場などに勤務する人より、山の手の高級住宅街に住む人のほうが親呪術的であり、高齢者や若年層よりも中年の中間管理職のほうが親呪術的だというのです。 一般のイメージでは学歴が高い中年は呪術的なものに拒否反応を示す、と感じていると思われます。しかし、事実は逆なのです。 呪術的なものといっても、呪いや占いなどのオカルティックなものから、初詣や忌み日など、伝統文化的なものまで、さまざまに分けられます。 私は、呪術的なものに対しては、極めてニュートラルな立場です。 初詣や忌み日は習慣として行います。 呪いや占いの有効性は分からないので、それに意味があるともないとも言えません。 科学的に証明されていないことも、それが本当であれば、いずれ証明されましょうし、嘘であれば忘れ去られるでしょう。 しかし、人類史上、どこの文明にも...
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代理 ミュンヒハウゼン症候群

先日、生後八カ月の自分の子供の点滴に水道水を混ぜ、死に至らしめた女に懲役10年の一審判決が下りました。なぜそのようなことを、と疑問に思っていたら、代理ミュンヒハウゼン症候群という精神疾患を患っていたそうです。 ドイツでほら吹き男爵と言われたミュンヒハウゼン男爵からとった名前で、ミュンヒハウゼン症候群とは、周囲の注目を集めるために自傷行為を続ける者、代理ミュンヒハウゼン症候群とは身近な者に傷害行為を繰り返す者、だそうです。 代理ミュンヒハウゼン症候群には女性が多く、自分の子供を傷つけ、周囲から献身的に看護する母親、と見られることに快感を覚えるとか。 治療法は、時間をかけたカウンセリングだそうで、薬物療法は有効ではない、とのことでした。 厄介な病気です。 自分の子供を殺して懲役10年は軽い、と思いましたが、この病気の患者だと知ると、簡単に軽い、とも思えません。裁判長は、身勝手で自己中心的な犯行、と断じていましたが、それはそういう病気なんだから当たり前です。 しかしそうかといって、無罪にしてよいものやら。 裁判員のみなさんは相当苦悩したことでしょう。 精神病者の犯罪というのは刑罰のつけかたが...