思想・学問

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代理 ミュンヒハウゼン症候群

先日、生後八カ月の自分の子供の点滴に水道水を混ぜ、死に至らしめた女に懲役10年の一審判決が下りました。なぜそのようなことを、と疑問に思っていたら、代理ミュンヒハウゼン症候群という精神疾患を患っていたそうです。 ドイツでほら吹き男爵と言われたミュンヒハウゼン男爵からとった名前で、ミュンヒハウゼン症候群とは、周囲の注目を集めるために自傷行為を続ける者、代理ミュンヒハウゼン症候群とは身近な者に傷害行為を繰り返す者、だそうです。 代理ミュンヒハウゼン症候群には女性が多く、自分の子供を傷つけ、周囲から献身的に看護する母親、と見られることに快感を覚えるとか。 治療法は、時間をかけたカウンセリングだそうで、薬物療法は有効ではない、とのことでした。 厄介な病気です。 自分の子供を殺して懲役10年は軽い、と思いましたが、この病気の患者だと知ると、簡単に軽い、とも思えません。裁判長は、身勝手で自己中心的な犯行、と断じていましたが、それはそういう病気なんだから当たり前です。 しかしそうかといって、無罪にしてよいものやら。 裁判員のみなさんは相当苦悩したことでしょう。 精神病者の犯罪というのは刑罰のつけかたが...
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青臭い

私は物心ついてから、生命はなぜ存在するのか、どこから来てどこへ行くのか、という問いから解放されたことがありません。 そしてそれは、私に限らず、圧倒的多数の人々が、そうなのであろうと思います。 私は十代の頃、薔薇十字会やスウェーデンボルグ、ルドルフ・シュタイナー、マダム・ブラヴァッキーなど、西洋の神秘学に深く心惹かれました。それは、まるで魔法のように、この世の秘密を解き明かしているように思えたからです。 しかし西洋の神秘主義は、反則を使いました。「神」です。唯一絶対の神を設定してしまえば、それですべてがおしまいです。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教、すべては同じ原理で、問いから逃げています。 その後、私は仏教に惹かれました。 仏教は、この世の成り立ちと、いかに生きるべきか、を問うて、見事に応えています。 しかし、なぜ、と、どこからどこへ、には応えていないのです。 そういう意味で、仏教もヘブライ3宗教と同じように、私、そしてあらゆる人類にとって最も重要な問いに応えていません。 なぜ在るのか、どこから来てどこへ行くのか。 私は不惑を迎えながら、青臭い問いから逃れられないでいます。 リワークは...
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共時性

今日のリワークは今週の卒業生4名の卒業プレゼンテーションでした。 そのなかに、私と深いシンクロニシティ(共時性)を感じさせる人がいました。 平成16年度、職場が法人化されるのにともない導入した財務会計システムを導入した会社のSEです。しかも彼女はその担当者であり、長期間、私の職場で勤務していたのです。 彼女はそのシステム導入の際の業務過多が原因の一つとなって、調子をくずした、とのことです。 私は同じ時期、同じ職場で、逆の立場でこのシステム導入に苦しみ、発病しました。 それが五年もたって復職支援で出会うとは。 なんとも皮肉なものです。 その後互いに互いを知らぬまま休職と復職を繰り返し、今にいたって出会うとは。 縁とは不思議なものです。 リワークで再会、なんてことにならなければよいのですが。
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救いと悟り

親鸞上人は救いを阿弥陀仏による他力本願に求め、道元禅師は座禅の中に悟りを求めました。この二つの併存する概念を思うとき、精神病から逃れることは、救いのなかに悟りを求める、ブッダの原始の教えに帰っていくように思います。 薬による救いと、リワーク通所やリハビリ出勤などの悟り。 この二つが同時に行われなければ、問題は解決しません。 翻って考えれば、救いと悟りを対立的、もしくは併存的に考えること自体が、無理であるとわかります。 救いと悟りを同義と捉えてこそ、精神病からの脱却は可能なのではないかと考えます。薬で脳内物質を調節することと、行動で精神を動かすこと、これを一体的に捉えるのです。 なんてなことを考えながら、出勤が怖い、職場が怖い、パワハラ親父が憎い、そんな感情を消せずにいるのです。
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暗黒物質

昨日の産経新聞「知の先端」に、最近東京大学に設置された数物連携宇宙機構での研究のことが掲載されていました。 私は根っからの文系人間で、数学や物理は苦手ですが、分からないなりに、宇宙の起源の研究成果には興味があります。同機構は宇宙はどうやって始まり、これからどうなっていくかを研究する、とのことで、「暗黒物質」らしい粒子反応を検出した、と報じられていました。 「暗黒物質」とは、銀河や星の形成に寄与しているが、目には見えない正体不明の粒子だそうです。これが宇宙の構成要素の中で23%を占め、さらに73%を暗黒物質以上に得体の知れない「暗黒エネルギー」が占め、我々が通常感じる普通の物質は4%に過ぎないそうです。途方もない話ですが、そういうことがわかってきているそうです。 そうなってみると、人間が考える世界なんて、とても小さなものですね。どうせ100年も生きられない人間が、利益だの宗教だので争うのは、馬鹿馬鹿しいかぎりです。 理系の学問は、先人が達成した地点からスタートできるから良いですね。文学なんて、記紀万葉の時代から、ちっとも進歩していません。それは争いがなくならないのと同様です。 そういう私...
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