通夜
3月5日に亡くなった父の通夜が、やっと今日、営まれます。 さすがに10日も経っての通夜というのは間抜けな感じがしますが、こういった儀式をきちんと経ないと、私の日常が脅かされてしまいます。 まずはしめやかに、次男としての役割などいくらもありはしませんが、黙って座っていましょう。 亡父との思い出は数知れず。 幼児から中学二年生まで、私が嫌だと言うまで、夏休みと冬休みには必ず、三泊四日程度の小旅行に連れて行ってくれました。 海水浴だったり、スキーだったり、あるいは避暑地での散歩やサイクリングだったり。 何よりも父は子どもを楽しませることより、自分が楽しむ天才でした。 父親が楽しそうにしていれば、それは子どもに伝播して、子どもも楽しくなるものです。 うつ病で長く休むことになったとき、父は奈良や京都郊外への旅行に連れ出してくれました。 父は京都の紅葉を見せたかったらしいのですが、主治医から人混みを厳禁されていると知り、奈良や京都郊外に変更になったようです。 京都では、生まれて初めてシティ・ホテルのスウィート・ルームに宿泊しました。 私が住む35年ローンを組んで買ったマンションより広くて、かっくり...