その他 鳴り響く音楽
最近、仕事中といわず、入浴中といわず、シューベルトの交響曲「未完成」が私の頭の中でがんがんと鳴り響いています。執拗にくりかえされる主題が、途切れることもなく。 通勤の車で聞くようになり、なぜか、この曲ばかりくりかえし聞いています。 こういう経験は、はるか昔、小学校のころにありました。 そのときは、「地獄の黙示録」で米軍がベトナムに空爆をする際、大音量で流していたワーグナーの「ワルキューレ」です。 そのシーンは凄惨で、ひどく恐ろしいのに、「ワルキューレ」はどこまでも美しく響くのです。 それと、「オーメン」シリーズの混声合唱。J・ゴールドスミスの「アヴェ・サンターニ」です。恐怖シーンには必ずこれが流れて、幼い私は震えあがったのです。 小学生の私は、勝手に流れ出す「ワルキューレ」や「アヴェ・サンターニ」に恐怖しながらも、その美しい旋律に酔いしれたのです。 中学生になると、私は文学や古典芸能に興味が移り、音楽に頭が支配されることはありませんでした。流行の歌を、テレビやラジオが垂れ流すままに、ぼんやりと聞いていました。 35歳でうつ病に罹り、ポップスもロックも演歌も耐えがた...