
ラブレス
昨日はコレステロールの薬をもらいに内科に、今日は散髪に行った以外、静かに読書をして過ごしました。 桜木紫乃の「ラブレス」を読みました。 この作者の小説を三冊続けて読んでいます。 北海道を舞台に、二人の女性の一生が大河ドラマのような壮大さで描かれます。 奔放に生きた姉と堅実に生きようとした妹の物語に様々な登場人物が絡んで、人生というものを考えさせられます。 みな同じように脱皮を繰り返し、螺旋階段を上るように生きてゆく。 人はみな手前勝手なもんだから、自分の幸せのためなら手前勝手に生きていい。 どこへ向かうも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を悔んだりしない。 奔放に生きた姉の言葉でありながら、堅実に生きようとして奔放に憧れた妹の悔いのようにも読み取れます。 親子孫、三代に渡る物語に魅了されました。ラブレス(新潮文庫)桜木紫乃新潮社