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文学

花の鎖

台風が近づいているとかで、朝から本降りです。 どこへも出かける気にならず、無聊をかこって、小説を読むことでおのれを慰めて過ごしました。 当代随一のストーリー・テラー、湊かなえの「花の鎖」を読みました。 文庫本で350ページほどですが、面白くて、一気に読みきってしまいました。花の鎖 (文春文庫)湊 かなえ文藝春秋 梨花・美雪・紗月という、3人の女性の物語が並行して描かれます。 それぞれに興味深いものですが、3人のつながりがよくわかりません。 それぞれの名前から、雪月花、にちなんでいることが覗えるだけです。 そしてそれぞれ、雪・月・花という章に分かれて進んでいきます。 しかし物語の後半にいたって、時系列が分かってきます。 つまり、紗月が娘、梨花が母親、美雪が祖母、と言う具合。 それが同時並行で描かれるので、最初は同時代を生きる3人の若い女性の話なのかと勘違いさせられます。 そして、梨花に毎年送られる豪勢な花と、その送り主、K。 Kとは何者なのか、美雪に起こった因縁が娘の梨花、孫の紗月にまで及ぼすことになった元とは何なのか。 謎解きのような面白さと、号泣必至の結末。 あまり多くは語りますまい...
仕事

3連休

やっと金曜日の終業を迎えました。 長い一週間でした。 10月に入って、1時間も休暇を取らずに20日が過ぎました。 一週間は長いですが、今は良い気分です。 しかも、台風が直撃すると予報されている23日の日曜日は、電気設備の点検のため、職場は完全に停電することから、臨時のお休みと決まっています。 すなわち3連休。 雨がちらしいのは残念ですが、台風が一番ひどいであろう日がお休みなのは嬉しいことです。 この調子で、10月は休暇を取らずに一気に働きたいものです。
文学

瑠璃の海

昨夜、小池真理子先生の「瑠璃の海」を読了しました。 文庫本で500頁ちょっとの長編でしたが、わりあいすんなり読めました。 相変わらず平易で読みやすい文章です。瑠璃の海 (集英社文庫)小池 真理子集英社 で、読後感。 これは好悪が分かれる小説だろうな、と思いました。 高速バスの事故で夫を失った30代後半の萌。 同じ事故で小学生の娘を失った40代前半の売れない小説家。 小説家は、とうの昔に離婚していて、娘を一人で育てていました。 萌と小説家は、遺族の会で知り合います。 そして、急速に魅かれあっていきます。 耐えがたい喪失感を抱えた二人は、その喪失感を共通項にして、結びつきを強くしていったのでしょうか。   売れないとはいえ一応小説だったため、事故後1年も経たないうちに付き合い始めた二人を週刊誌が面白おかしく取り上げたり。 すでに事故死した夫が、生前浮気していたのではないかと萌が疑ったり。 さらには、結婚前に少し付き合っていただけの男に、萌が体の関係を迫ったり。 小説家との情交に溺れて会社をさぼったり。 小説家はふらっといなくなって、酔っぱらって喧嘩したあげく、怪我を負ったり。  およそ道徳...
社会・政治

想像できないことを想像する

米太平洋軍のハリー・ハリス司令官が、北朝鮮が進める核兵器開発計画の脅威への対応について、「想像できないことも想像しなければならない」、と警告したそうですね。 想像できないこととは、例えば、北朝鮮が核弾頭を搭載したミサイルでロサンゼルスやホノルル、ソウル、東京、シドニー、シンガポール等を攻撃することだそうです。 まさしく想像し難い事態です。 しかしかつて、英国のチェンバレンが繰り広げたナチス・ドイツに対する融和政策は、絶対的な平和主義に裏打ちされた英仏等の人々から歓迎されましたが、それはドイツの要求をのみ続けることでしかなく、結局、ドイツの増長を許し、第二次大戦に突入することになりました。 英国民もドイツ国民も、ナチが政権を握った段階では、英独の全面戦争など想像できなかったのではないでしょうか。 でなければ、ナチが選挙に勝てるはずもありますまい。 後にチャーチルは、第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう、と述べています。 真偽は今となっては分かりません。  第一次大戦後、パリ不戦条約だの、国際連盟だのと...
文学

楽園は兄妹を地獄に落とすか

昨夜、ずいぶん昔に読んだ夢野久作の「瓶詰の地獄」を読み直しました。瓶詰の地獄 (角川文庫)夢野 久作角川グループパブリッシング ごく短いながら、強烈な印象を、少年の頃の私に残したことを覚えています。 なぜか昨夜、急に読み返したくなって、パソコンを開き、青空文庫を検索したところ、アップされていたのを確認した時は、嬉しくなりました。 内容はいたってシンプル。 ある島の村に、ビール瓶が3本、流れ着いているのが発見されます。 中にはそれぞれ鉛筆で書かれた手紙らしきものが入れられています。 そのことを海洋研究所に報告し、提出する旨の村役場による候文が最初に置かれます。 その後、難破してその島に流れ着いたと思しき兄と妹の2人の手紙が、それぞれに入っています。  その島に流れ着いた時、兄は11歳、妹は7歳。 島にはパイナップルやバナナ、鳥の卵などが豊富にあり、食うに困りません。 難破した時に避難に使ったボートを建材にして、小屋を作り、2人は幸せに暮らします。 そこはまさしく、二人だけの楽園でした。 二人は聖書を大事にしていることから、クリスチャンであることが示されます。 数年経つうちに、2人はたくま...
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