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文学

横道世之介

昨夜は吉田修一の長編「横道世之介」を読みました。 平易な読みやすい文章と、テンポ良く転がる物語の世界に引き込まれ、文庫本で470頁強の小説を、少々夜更かしして最後まで読んでしまいました。 青春小説ということになるんでしょうね。 主人公の横道世之介はバブル全盛期に長崎県の片田舎から大学進学のため上京します。 時に18歳。 大学名は明記されませんが、武道館で入学式をやったとか、武道館から歩いて大学に戻るとかいった描写があり、法政大学で間違いないと思います。 作者のプロフィールを見ると長崎県出身で法政大学卒業とありますから、かなりデフォルメしてあるにせよ、作者自身がモデルになっているものと思われます。 18歳から19歳の、大学一年生の1年間が月ごとに章立てされ、描かれます。 バイトやサークル、恋に友情等、青春小説のエキスとでも言うべきものがたっぷりと盛られ、飽きさせません。 バブル全盛期に大学生活を送ったのは私と同じ。 作者の年齢が55歳、私が54歳ですから、あの狂乱の時代をともに大学生として生きていたわけです。 嫌でも親近感がわくというものです。 時折横道世之介をめぐる人々、友人だったり恋...
仕事

しがみつく

今日は小雨が降ったりやんだり。 一週間分の食料の買い出しに行ったのと、近所のイタリア料理店に昼飯を食いに行った以外は、自室で読書をしたりユー・チューブを観たりしてのんびり過ごしました。 明日からの長い長い5日間の仕事のことを思うと憂鬱になりますが、日曜日の夕方はいつもそうです。 それは何も就職してからのことだけではなく、3歳で幼稚園に通い始めた頃からずうっと続いています。 今年55歳になりますから、もう52年も憂鬱な日曜日の夕方を過ごしていることになります。 大学生までは教育を受ける期間ですから仕方が無いにしても、職業は自分で選べるのに、堅い小役人になってしまいました。 今さら転職したところで、給料が半分に減るだけでしょう。 現在の職にしがみつくしかありません。 浮世は憂き世とはよく言ったものです。
その他

週末

今日は朝一番で内科に行ってきました。 4か月に一度の血液検査の採血のためです。 朝飯を抜いたせいでひどく腹が減りました。 昼はあっさり塩ラーメン。 最近近所にできたあっさり塩とあっさり醤油の2種類だけのお店で、出汁が効いていてなかなかいけます。 午後、12型のレッツ・ノートが届きました。 自宅ではごっついHPのデスクトップを使っていますが、携帯用に購入しました。 以前使っていた物が10年近く経ち、動作が遅くなってストレスでしたので、やむを得ず買い換えました。 レッツ・ノート、ノートパソコンでは最強の性能を誇り、値段も他の機種の倍以上しますが、頑丈で長持ちするので購入したしだいです。 初期設定を済ませてJ:comのwifiに繋ぎ、いつでも使えるようにしました。 これで旅行先からでもブログの更新ができるし、職場で支給されているノートパソコン(こちらも最新型のレッツ・ノートです)を申請無しで持ち運ぶわけにはいきませんから。 その後本屋で本を三冊購入。 1冊は嵐山光三郎の老いに関するエッセイ、1冊は吉田修一の青春小説、1冊は初めて読む作家の女死刑囚をめぐる小説です。 本屋に行くと、なるべく初め...
文学

夜想曲集

昨夜はカズオ・イシグロの短編集「夜想曲集」を読みました。 この作者の短編集は初めて読みました。 というか、私の知るかぎり、短編集はこれ1冊だけだと思います。夜想曲集 (ハヤカワepi文庫)カズオ・イシグロ早川書房 いずれも音楽家が主人公になっています。 酒場で演奏する売れないバンドからかつてスターであった老歌手まで、さまざまです。 この短編集の刮目すべき点は、ユーモアが前面に出されているところです。 しかしそのユーモアは、人生というものへの辛辣さが隠されていて、そこが深い味わいものになっています。 エンターテイメントのようでいて、文学になっている、素敵な短編集でした。
思想・学問

思考の整理学

昨夜は「思考の整理学」と言う本を読みました。 なんでも東大、京大の学生に最も読まれた本だそうです。 だからといって小難しい書物ではありません。 むしろ軽い読み物と言った感じです。 著者曰く、朝飯前というのは簡単な仕事というわけではなく、朝飯前が最も頭が働く時間帯で、だからこそ朝飯の前は難しい問題でも解決が容易だと言います。 で、朝飯前の時間を長くするにはどうすれば良いかというと、早起きするのではなく、朝飯を抜いてしまえば良いのだとか。 そうすれば朝飯前の時間が長くなって仕事がはかどる、なんてヘソの曲がったことが書いたりしてあって飽きさせません。 しかし悲しいかな1983年に出版されたそうで、現代の整理とは異なっています。 すなわち、ノート、カード、スクラップブックなどでの整理法が紹介されているのです。 1983年と言えば、コンピューターは専門家の間で使われる物で、一般的に使用される物ではありませんでした。 現代で整理と言えば、エクセルやワード等に入力して保存するか、あるいは紙であってもPDF化してデータにするのが一般的です。 データにすれば検索もかけられるし、そもそも紛失するということ...
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