「夜市」と「風の古道」

文学

 昨日は「夜市」という小説を読みました。
 ホラー小説大賞受賞作、「夜市」と、受賞第一作の「風の古道」の2作が掲載されています。

夜市 (角川ホラー文庫)
恒川 光太郎
角川グループパブリッシング

 2作品とも、ホラーっぽくありません。

 ふとしたことから異界へと足を踏み入れる話ですが、非常に平明な文章で、切なくも美しい、不思議なストーリーが展開されます。
 起承転結がはっきりしていて、すんなりと物語の世界に入り込めました。

 これはホラーというより、泉鏡花など、幻想文学の系譜に連なる文学作品と言ったほうが良いでしょう。

 私としては、「風の古道」のほうが気に入っています。

 恒川光太郎という作家、初めて読みましたが、もっと読んでみたくなりました。
 特殊な物語を紡ぐ才能にあふれていると見えました。


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