「色を見る、色を楽しむ」 ブリジストン美術館

美術

 今日は久しぶりに美術館に出かけました。

 京橋のブリジストン美術館で開催されている「色を見る、色を楽しむ」展を鑑賞するためです。




 まずは車を飛ばして都営八重洲駐車場へ。
 休日のせいか道がガラガラで40分ほどで到着。
 全然知らなかったのですが、日本橋高島屋で2000円以上買い物をすれば3時間まで駐車無料とのことで、昼時でしたので、高島屋で昼飯を食いました。
 2000円をちょっと超えて、一安心。

 日本橋高島屋や日本橋三越には、子どもの頃親に連れられて時折出かけました。
 重厚なたたずまいは当時と変わらず、しばし感傷に耽りました。

 で、高島屋から徒歩5分ほどのブリジストン美術館へ。
 ここを訪れるのは、アンフォルメル展を観て以来。
 じつに久しぶりです。
 その時はアンフォルメル以前の、象徴主義の画家、ギュスターブ・モローの絵に魅了されたことを思い出します。

 わが国ではルノワールなどの印象派が根強い人気を誇っていますが、私には印象派は健康的に過ぎるようで、好みません。

 今回の展覧会は色彩をテーマにしているせいか、多種多様な絵画が展示されていました。

 で、モローより12~13歳くらい年下の同じ象徴主義の画家、ルドンの絵がひと際目を引きました。
 ルドンには黒の時代と言われる時期があり、黒こそ色の本質として、モノクロの幻想的な絵ばかり残しています。



 「かげった翼の下で、黒い存在が激しく噛みついていた」です。

 しかし私がより興味を持ったのは、黒の時代を経て再び色彩豊かな絵画を残すようになった頃の逸品、「神秘的な語らい」です。

  淡い青を基調に、うつむく女を年長の女がなだめているようにも、誘っているようにも見えます。

 いずれにしろ、この世の者ではありますまい。

 じつに幻想的で美的な絵画で、私はこの絵の前で30分以上、佇んでいました。

 じつはこの構図、ルドンが好んで描いたもので、岐阜美術館が所蔵している「神秘的な対話」のほうが有名で、色彩も豊かです。



 ルドンのコーナーを抜けると、マチス



 上のような切り絵が多数並んでいました。

 しかし正直、ルドンの絵画のように私の心を捉えることはありませんでした。

 美術鑑賞というのは、生命力を吸い取られるような作業で、観ている時は興奮状態で気付きませんが、一歩美術館の外に出るとどっと疲れを感じます。

 喫茶店で疲れを癒し、車を飛ばして帰りました。
 ルドンの画集を一冊購入して。


オディロン・ルドン―自作を語る画文集 夢のなかで
Odilon Redon,藤田 尊潮
八坂書房


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