「おそいひと」を観ました。
なんとも評価の難しい映画です。
重度の脳性麻痺を持つ障害者が主演する殺人劇です。
モノクロの詩情あふれる映像で、切なげな音楽を背景に障害者の日常が淡々と描かれます。
ある日、ヘルパーに女子大生が来るようになり、主人公の暗い欲望が噴出し、ついには連続殺人を引き起こすにいたります。
障害者が同時に怖ろしい殺人犯であるというのは、なにも不思議なことではありません。
殺人鬼がたまたま障害者であったというだけです。
それなのに、なぜか違和感を感じます。
私のなかに、障害者は可哀そうな善人だ、という偏見があったからでしょう。
偏見を打ち砕く力がこの映画にはあります。
それにしても、障害者でもあるこの役者、目の演技に凄味があります。
無邪気な目をしたかと思えば、とてつもなく邪悪な表情を浮かべます。
この表情の演技だけでも、一見の価値ありです。
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住田雅清,とりいまり,堀田直蔵,白井純子,福永年久 | |
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