村上春樹の新作
村上春樹の新作短編集「女のいない男たち」を読みました。女のいない男たち村上 春樹文藝春秋 これは、生き別れや死に別れなどで大切な女性を失った男たちの喪失感を様々に描いた短編集です。 したがって、そもそも女性と付き合ったことがない、という意味での女がいない男は含まれていません。 短編集ですから、一作くらいはそういうのも入れて欲しかったですねぇ。 どれもどこかエキセントリックで、社会の枠にはまらない男たちの喪失感が、流麗に、切なく描かれ、さすが大御所と言う感じで、このところ長編ばかり物してきた作者の筆遊びのようなところもありますが、さすがに春樹節は健在でした。 恋人にふられる、あるいはふるという形...